2000 Fiscal Year Annual Research Report
1990年代の銀行の不良債権処理と経営合理化努力に関する実証分析
Project/Area Number |
12630103
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
竹内 哲治 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (50294294)
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Keywords | 銀行の不良債権処理 / 銀行の経営合理化 |
Research Abstract |
平成12年度は,準備段階に対応するが,代表者のところで大きなデータの分析に対応でき,また,データを高速で検索できるパソコンを購入し,銀行に関するデータの処理を行った。このために設備費および謝金が必要となった。データは主に日経Needs財務データ・全国銀行財務諸表分析・東洋経済企業系列総覧・会社四季報に所在することが確認され,それらを用いるためデータ収集・入力・整理等を行った。いくつかの金融データをPRIMARK社のDatastreamというネット上の有料データベースを利用し検索を行っている。 また,これまでの文献のサーベイを行い,ガバナンスに関する理論モデルのラフスケッチを行った。経営が悪化した銀行をどのように抽出したらよいか,経営合理化の程度をどのような変数で把握したらよいか,ガバナンスの状況が合理化にどのようなメカニズムで作用すると考えるか,などの問題を議論し実証分析を行っている段階である。 しかしながら,これまでの我々の研究では明確な結果が得られておらず,経営合理化について,各銀行に聞き取り調査やアンケート調査を行い,公表されている財務データだけでは把握できない情報を得ることが望ましい。その結果を踏まえて計量分析を行うことを計画している。さらに,ガバナンスについて,どのようなガバナンス変数が合理化の程度にどのような影響を与えるか回帰分析を行う準備をしている。例えば,負債比率、株主集中度、浮動株比率、特定株比率、生保保有率、外国会社保有率、大蔵天下り比率、日銀天下り比率などが考えられる。これらは,銀行を統治する主体を示す変数と考えられる。 平成13年度は,収集した国内のデータを用いて実証分析を完結することである。さらに,米国の銀行と比較するための計画および準備が必要となる。
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