2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640186
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 良 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70016129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅樹 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70254141)
高桑 昇一郎 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10183435)
倉田 和浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186489)
望月 清 中央大学, 理工学部, 教授 (80026773)
石井 仁司 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70102887)
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Keywords | ポテンシャル論 / 自由境界問題 / 求積領域 / ヘレショウ流れ |
Research Abstract |
本研究は、自由ないし移動境界問題の中で典型的なヘレショウの流れに焦点をあて、ポテンシャル論的方法、複素解析的方法を主に用いて、近年の非線形偏微分方程式の理論や粘性解の理論を取り込みつつ、古典的な方法では得られなかった流れの形状の時間的変化の特性を明らかにすることを目指すものである。 本年度は、流れの初期領域の境界上に角があり、その角の内角が全角(360度)のときの詳しい研究を昨年度に引き続き行った。昨年度は得られた調和測度の評価を用いて、層流点であるための十分条件を新しい折り返し可能定理に帰着できた。つまり、内部問題を解決した。今年度は、折り返し可能定理の条件を満たすように測度を変形できること、すなわち、外部問題を解決した。 各分担者は、この研究成果を得るにあたり様々な貢献を為したが、各分担者の個別の研究にも成果をあげた。それらのいくつかを簡単にまとめると以下の通りである。 ◇倉田:非有界領域上での典型的な非線型楕円型境界値問題の解が存在する新しい非有界な領域のクラスを1つ提唱し,領域の幾何学的性質と可解性との関連についての新しい結果を示した。 ◇高桑:Euclid空間の領域上での調和写像、p調和写像の境界値問題に対して自明な境界条件を満たすのは自明な解のみであることを示した。 ◇石井:形状が凸であるとは限らない石の磨耗の数学モデルとして現れる非局所的ガウス曲率流について,曲面がグラフとして表される場合に,その存在と一意性を確立した。ガウス曲率流に対する確率的クリスタライン近似法を導入し,その収束を示した。 ◇望月:振動型ポテンシャルを伴うシュレディンガー作用素に対する固有関数の増大度の評価とスペクトル表現および摩擦項を伴う古典的波動伝播問題に対する解の減衰や、スペクトル・散乱理論の研究を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] B.Gustafsson, M.Sakai: "Sharp estimates of the curvature of some free boundaries in two dimensions"Annales Academiae Scientiarum Fennicae. 28. (2003)
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[Publications] K.Kurata, M.Shibata, K.Tada: "Existence of positive solutions for some nonlinear elliptic equation on unbounded domains with cylindrical ends"Tokyo Metropolitan University Preprint Series. 19. 1-22 (2002)
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[Publications] K.Hidano: "Scattering and self-similar solutions for the nonlinear wave equation"Differential and Integral Equations. 15・4. 405-462 (2002)
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[Publications] H.Ishii, T.Mikami: "A two-dimensional random crystalline algorithm for Gauss curvature flow"Adv. in Appl. Probab.. 34・3. 491-504 (2002)
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[Publications] H.Ishii, P.Loreti: "A class of stochastic optimal control problems with state constraint"Indiana Univ. Math. J.. 51・5. 1169-1198 (2002)
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[Publications] K.Mochizuki, I.Trooshin: "Inverse problem for interior spectral data of the Dirac operator on a finite interval"Publ. Res. Inst. Math. Sci.. 38. 387-395 (2002)
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[Publications] 村田 實, 倉田 和浩: "偏微分方程式1 現代数学の基礎"岩波書店. 258 (2002)