2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640194
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
猪狩 勝寿 愛媛大学, 工学部, 教授 (90025487)
坂田 定久 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (60175362)
山原 英男 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (30103344)
|
Keywords | フックス型偏微分作用素 / Volevicタイプシステム / 確定特異点 / 特性指数 / 特性的初期値問題 |
Research Abstract |
バウエンディーグラウイック(M.S.Baouendi-C.Goulaouic)の意味のフックス(Fuchs)型偏微分方程式,すなわち,初期面に沿って確定特異点をもつ線形偏微分方程式が,我々の重要な研究対象の一つである.今年度は,前年度までの研究において得られた諸結果を見直し,残された問題の相互の関連性などを再検討することから始めた. たとえば,複素領域における斉次方程式の解(初期面にのみ特異性(多価性も許す)を持つ解)の構造を局所的に明らかにすることについては,前年度までに,単独方程式やVolevicタイプのフックス型偏微分方程式システムに対して解写像が構成されていたが,これらの構成は全く局所的なものであり,非特性的な場合のように,初期面に沿ってつないでいくことができない.この点について,いろいろな例を考察することにより,解の構成法の変形可能性などを探った.難しさの核心のようなものはつかめてきているが,解決にはもう1段のアイデアが必要である. また,この点に関連して,われわれが構成した解とMellin変換との関連などについても考察を進めた. 正則な右辺を与える初期値問題においても,特性指数が非負整数になるときには,一般には正則解が存在しない.初期面にのみ特異性(多価性も許す)を持つ解で,ある意味で正則解に"近い"解が構成できることも分かっているが,元の方程式が正則解を持つときでも,この解はその正則解になるとは限らない.この点に関して,構成法の問題点が,上で述べた初期面に沿って解をつないでいく際の問題点と深く関係していることが分かってきた.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Mandai, T., Tahara, H.: "Structure of Solutions to Fuchsian Systems of Partial Differential Equations"Nagoya Math. J.. (To appear). (2002)