2000 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面でのイオン・準安定原子の中性化・脱励起における集団的励起
Project/Area Number |
12640317
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正路 九州工業大学, 工学部, 助手 (60264131)
生地 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (00093419)
西垣 敏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60126943)
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Keywords | 表面電子系応答関数 / 荷電粒子-表面相互作用 / 集団的励起 / プラズモン / 非弾性散乱 / 電子エネルギー損失分光 / 準安定原子脱励起 |
Research Abstract |
固体表面でのイオン・準安定原子の中性化や脱励起は表面電子系との多体相互作用に支配される。本研究は、動的応答関数の理論的計算法を金属や半導体表面でのイオンの中性化や準安定原子の脱励起に応用することを目的としている。 本プロジェクトの初年度は、電子エネルギー損失分光の分野にすでに応用されてきた方法を発展させ、電子やイオンによる固体(ジェリウム)表面の動的応答を解明することを目指した。時間依存局所密度汎関数近似法を用いて、表面の任意の深さまで侵入した荷電粒子の非弾性散乱確率の計算を行った。dipoleモード散乱とimpactモード散乱の両方を考慮に入れた。弾性散乱を含めた計算アルゴリズムを創りプログラムコード化を行った。 表面や低次元物質系の非線形応答の効果が注目されているが、我々はこれらの電子系での非弾性散乱過程における非線形(高次)応答効果の理論的研究を行った。2次ボルン近似での非弾性散乱微分断面積と2次の密度応答関数とを精密に関係付けた。 実験面では、ヘリウム準安定原子の表面における脱励起過程が表面電子状態にどう影響されるかを、窒素(又は酸素)とアルカリ金属の共吸着したSi(100)表面を用いて研究した。特にオージェ脱励起(又はFeshbach共鳴)による放出電子スペクトルピーク(アルカリSの関与するピーク)強度の変化に注目した実験を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] V.U.Nazarov and S.Nishigaki: ""Inelastic low energy electron diffraction at metal surfaces""Surface Science. (in press). (2001)
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[Publications] V.U.Nazarov and S.Nishigaki: ""Inelastic electron scattering at metal surfaces : the role of elastic scattering""Vacuum. (in press). (2001)