2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640356
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
矢野 英雄 大阪市立大学, 理学部, 講師 (70231652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 明 大阪市立大学, 理学部, 助手 (00229519)
石川 修六 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90184473)
畑 徹 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10156333)
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Keywords | 超流動^3He / 不純物効果 / エアロジェル / p波クーパー対 / 核断熱消磁冷凍機 / 超低温 / 核磁気共鳴 / ^3He融解圧温度計 |
Research Abstract |
p波のクーパー対を形成する超流動^3Heの不純物効果を明らかにするために、本年度は不純物となるエアロジェルと測定セル、核断熱消磁冷凍機、温度計、自動計測システムを製作した。 エアロジェルは空間率97.5%、98%、98.5%を製作した。測定セルは核磁気共鳴を超低温度で行うために非金属である必要があり、また冷え残りによる発熱源とならないように材質を選ぶ必要がある。これらの目的のためにコルツ管を用いた。核断熱消磁冷凍機は、高純度銅ブロック(99.99%)から切り出した。全体の重さは10kg(150モル)。良好な熱伝導を得るために、熱処理により残留抵抗比を4000まであげた。これを8T超伝導磁石内に配置し、希釈冷凍機と組み合わせることで50μK以下の超低温度をめざす。これらの処置により世界でも有数の冷凍能力を実現できる。温度計としてPt-NMR温度計を製作した。この温度計により数μKから数十mKの温度を測定する。また^3He融解圧温度計も製作した。この温度計によりPt-NMR温度計を較正する。設備備品として購入したロックインアンプは融解圧温度計のキャパシタンス測定に用いる。 以上の冷凍機および測定系は、外来雑音をさけるためにシールドルーム内に設置される。測定コントロールは光ファイバーによるGP-IBインターフェースを使用する。コントロール用コンピュータはシールドルーム外に設置する。さらにコンピュータネットワークシステムを構築した。測定されたデータは、コントロール用コンピュータを通してサーバーに送られ、他のコンピュータからデータをアクセスできる。このシステムにより測定と同時に解析を行うことが可能になる。 以上の特徴を持つ装置の製作を終了し、冷凍機の予備試験を行いうる段階まで到達した。
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