2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640478
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
福岡 孝昭 立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (90080473)
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Keywords | 南極氷床 / 氷床年代 / 微小固体粒子 / 微小火山灰粒子 / 火山性エアロゾル / LA-ICP-MS / 噴火年代 / 化学組成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第一に南極氷床中に火山性エアロゾルと共存する10μm程度の微小固体粒子の起源を求めることにある。この微小固体粒子が火山起源であることが確認された場合、その化学組成から給源火山を求めることにより、噴火年代を知り、氷床の年代を求める。また、火山性エアロゾルの量と微小火山灰粒子の量から過去の世界の大規模噴火の規模と性質を見直す。 今年度は主に次の項目を中心に研究を行った。 1.氷床コア中に確認された微小火山灰粒子の量と火山性エアロゾル(火山ガスに由来)の量の関係を詳細に検討したところ、多くの場合は相関するが、相関しない場合があることがわかった。これは過去の大規模火山噴火において(1)火山灰と火山ガスを両方放出したもの、(2)火山灰は出したが火山ガスは放出しなかった、(3)火山ガスは大量に放出したが、火山灰はそれ程出さなかった、という場合があることがわかった。すなわち、南極氷床は過去の火山活動の規模と性質の記録者であることが明らかになった。 2.レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による微小火山灰粒子の分析法の確立 本学に導入されたセイコーインスツルメンツ杜製ICP-MSを用い、昨年度は水溶液試料の単元素の分析をほぼ確立した。今年度はレーザーを用いた固体試料の分析を行えるようにすることを目標とした。しかし残念ながら、機器の故障が多く、水溶液の多元素分析の可能性に道が開けたところまでしか達成できなかった。 3.過去40万年間の世界各地の大規模噴火による火山灰の化学組成のカタログ作成 昨年に引き続き、国内及びニュージーランドの火山灰試料の化学組成(主に微量元素組成)を機器中性子放射化分析法(INAA)で求めた。
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