2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650110
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笹島 和幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80170702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正明 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00179524)
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Keywords | トランケーション / ウェーヴレット / プラトーホーニング / 表面粗さ / 形状測定 / なじみ摩耗 / 負荷曲線 |
Research Abstract |
本研究では,機能上重要である複合構造表面の中のトランケーション面におけるトランケート部分とそうでない部分の特徴を詳細に解析する方法としてウェーヴレットを用いた方法について研究している. トランケーション面の特徴は,初期加工面の痕跡を残している深い谷形状部分と,2次加工によりトランケートされた比較的平坦な部分に分けられることである.したがって,この深い谷部分の位置と大きさをウェーヴレット解析によって個々に識別することが可能である.次に,この識別された情報から,残されている谷部の空間分布状態や平均的大きさ,大きさのばらつきなどを算出することが出来る. ウェーヴレット解析は,そのマザーウェーヴレットの形によって結果が異なるため,数種のマザーウェーヴレットによる解析を行い,元の形状とウェーヴレット解析結果の逆解析による評価形状との差を定量的に求めることにより,トランケーション面に適合するマザーウェーヴレット形状を決定している. 以上の基本的解析を,トランケーションがゼロから100%まで進展する過程の各状態の測定データに適用し,トランケーションの進展過程の評価にウェーヴレット解析が有効であることを検証している.その結果,従来のトランケーション面を複合加工面として捉えず,単一のランダム過程として解析する方法に比べ,トランケーション面の複合構造の中身をパラメータとして理解できることから格段に表現能力が高まったことが確認された.さらに,負荷曲線などから複合構造を解析する方法に比べ,谷形状の大きさやそのばらつき,空間分布状態を評価できることでトランケーション面の機能とその表面構造の研究を行う上で格段に詳細情報をパラメータ化出来たことが今後のこの種の研究を大きく発展させる基礎を築いたといえる.
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