2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域連携による循環型社会構築のための生活行動関連の環境資源・環境負荷の計量・評価
Project/Area Number |
12650546
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
城戸 由能 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50224994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 由彦 鳥取大学, 工学部, 教授 (50127859)
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Keywords | 物質循環制御 / 環境負荷 / 地位連携 / 水循環 / 物質循環 / 雨水再生利用 |
Research Abstract |
本研究では、都市部と周辺後背地との連担地域における生産・消費・廃棄システムを対象とし、循環型社会構築のために、地域の生産・生活・廃棄行動起源の環境負荷の計測をおこない、それらを総合的に削減するための社会システムのモデル化と循環形成の評価指標体系を作成し、循環型社会システムの再構築の実現可能性を検討することを目的としている。本年度は都市域で使用される水に着目した分析を行った。まず、対象地区の環境負荷項目の計量化のための各種統計データの収集を行うとともに、水循環経路に沿った環境負荷の計測およびヒアリング調査を実施した。水を媒介として輸送される環境負荷の点的・面的発生源および発生負荷の時空間的な質的量的計測評価および排水再生利用あるいは雨水の再利用可能性の検討評価をおこなった。対象地域として大阪市と鳥取市を選択し、都市部に立地する様々な業態・業種別の水道使用量を把握し、水量的なバランスを評価した。また都市部に設置されている雨水流出抑制施設をひとつの水資源賦存施設とみなし、空間的な配置等も考慮しながら、貯留雨水の再利用可能性を建物と町丁目および区単位で検討し、現在の水使用量の15%程度までは雨水により代替可能であることを明らかにし、都市部への外界からの水輸送ポテンシャルの軽減可能性を示した。また、降雨時に屋根面等から流出する汚濁負荷に関する観測・分析を実施し、懸濁態物質としての流出負荷が卓越していることを示した。このことを受けて都市部の環境負荷物質移動における降雨流出過程の寄与の大きさを定量的に把握するための重点的な観測・分析を次年度以降実施することとした。これらの調査・観測結果に基づいて、水の流れを中心とした経路に沿った都市域内外の複数の環境負荷放出経路のシステム構築の基礎的な検討をおこない、水・エネルギー・環境負荷の排出と再生・再利用のための経路設計の準備的作業をおこなった。
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