2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市産業形態の違いを考慮した重金属市街地土壌汚染パターンの解析
Project/Area Number |
12650547
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40182852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
|
Keywords | 土壌汚染 / 重金属 / 実測データ / 市街地 / 公園 / PBET / 塩酸抽出法 / 健康リスク |
Research Abstract |
本研究では、国内各都市における重金属と有機汚染物質の土壌中濃度を測定し、汚染レベルの現状とその分布の特徴を明らかにすることを目的とした。土壌中有害物質濃度の測定法として様々な抽出方法があるが、今年度は人体への健康リスク評価の観点から、従来の抽出方法と人体の消化器系での溶液成分を近似した抽出方法を比較することにより、より健康リスク評価に対して有効な抽出方法を検討した。また、日本全国規模でのサンプリングを実行するとともに、各地域の産業構造と汚染物質分布の関係などを統計解析によって明らかにした。また、測定した汚染レベルから、総合的な人体への健康リスクレベルを計算した。このような研究によって、現在の日本における一般市街地土壌汚染レベルと人体への健康リスクレベルを大まかに把握した。 日本中の主要な都市を結ぶ何本かの幹線道路に注目し、その幹線道路沿い数十kmごとに一ケ所、公園の土のような試料採取場所をみつけ、試料を採取した。試料採取は表層5cmを対象とし、表層5mm、上層2.5cm、下層2.5cmとに分けてサンプリングを行った。重金属は現有するICP質量分析器を用いて測定し、健康リスクレベルの評価を行った。その結果、特に鉛とヒ素において、土壌の直接摂取による基準値を越える濃度が、一般市街地の公園土壌においても存在していることを明らかにした。また、土壌抽出方法としては、硝酸抽出法、0.1N塩酸抽出法、1N塩酸抽出法、生理学的モデルに基づく抽出法(PBET)を比較し、PBETによる測定結果の代用方法としては、1N塩酸抽出法がすぐれていることを明らかにした。
|