2002 Fiscal Year Annual Research Report
外膜リポタンパク質のみを選別して膜から遊離させるABCトランスポーターの機能解析
Project/Area Number |
12660068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松山 伸一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (50183108)
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Keywords | 大腸菌 / 細胞表層 / リポタンパク質 / ABCトフンスボーター / タンパク質局在化 |
Research Abstract |
本年度は、ABCトランスポーターLolCDEに関して下記の研究成果を得た。 (1)LolCDEによるリポタンパク質選別シグナルの認識機構 LolCDEがリポタンパク質の選別シグナルに依存してATPを加水分解することを明らかにした。この結果より、LolCDEが選別シグナルを認識していることが示された。選別シグナルの構造的解析から、主鎖から一定の距離にある+2位の負荷電が内膜局在化シグナルとして働くことを示した。また、LolCDE複合体による選別シグナルの認識にはホスファチジルエタノールアミンが重要な役割を果たしていることを見いだした。さらに、N-アシル化はLolシステム依存のリポタンパク質局在化に必須であることを明らかにした。 (2)各サブユニットの機能と相互作用 LolDホモログ間で保存された配列「LolDモチーフ」の変異株の解析から、LolDモチーフは膜サブユニットLolCEから送られてくるATP加水分解のシグナルを受け取る領域であることが示唆された。 (3)リポ蛋白質の遊離反応におけるATPの役割 LolCDEによる選別シグナル依存のATP加水分解がLolA非存在下でも見られたことから、LolCDEのATPase活性はリポタンパク質の遊離とは共役していないことが示された。この結果は、ATPの加水分解エネルギーはリン脂質と相互作用しているリポタンパク質の脂質部分がタンパク質であるLolCDEと相互作用するステップに利用されることを示唆していると考えられる。
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[Publications] 松山伸一: "水に溶けないものが水路を渡る:細菌リポタンパク質の運び屋たち-大腸菌リポタンパク質の選択的膜局在化機構-"実験医学. (印刷中).
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[Publications] Fukuda, A.: "Amino-acylation of the N-terminal cysteine is essential for Lol-dependent release of lipoproteins from membranes but does not depend on lipoprotein sorting signals"J. Biol. Chem.. 277. 43512-43518 (2002)
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[Publications] Narita, S.: "Disruption of lolCDE encoding an ATP-binding cassette transporter is lethal for Esoherichia coli and prevents the release of lipoproteins from the inner membrane"J. Bacteriol.. 184. 1417-1422 (2002)
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[Publications] Masuda, K.: "Elucidation of the function of lipoprotein-sorting signals that determine membrane localization"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 7390-7395 (2002)
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[Publications] Miyamoto, A.: "Dominant-negative mutant of a lipoprotein-specific molecular chaperone, LolA, tightly associates with LolCDE"FEBS Lett.. 528. 193-196 (2002)