2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660086
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 眞狩 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60011889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 博和 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (70139054)
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Keywords | 高圧処理 / 大腸菌 / 細胞分裂阻害 |
Research Abstract |
本研究は、食品の細菌汚染の指標菌である大腸菌を材料として、高圧処理したときにどのような損傷が生じるのかを微生物生理学的に明らかにし、その知見をもとに、より殺菌効率の高い高圧処理条件を見出し、食品加工における加圧処理の実用化に寄与せんとすることを目的とした。 1)細胞分裂に対する高圧処理の影響(山崎) 対数増殖期大腸菌は静止期の菌に比べて極度に高圧処理に感受性であった。そこで対数増殖期の菌の高圧処理を25℃、75MPa、30分の条件に下げ、高圧処理後、肉汁培地で生育させたところ大部分の菌が伸長細胞となった。DAPI染色により核領域を調べてみると、核は分配されていた。細胞分裂の際には分裂面にまずFtsZ蛋白質の重合したリングが形成される。染色体DNAに損傷があるとRecA蛋白質の出現、次にSulA蛋白質の出現が起こりSulAはFtsZの重合を阻害して細胞分裂を阻害し伸長細胞が出現することが知られている。この系が働いているかどうかを調べるためにrecA、sulAの各変異株について高圧処理をほどこしたところ野生株と同様に伸長細胞が出現した。従って高圧処理によりDNAに損傷が起きることはなく、高圧処理後の生育で見られる細胞伸長現象はSulA非依存の未知の機構によるものと考えられる。 2)高圧処理時に作用する保護物質の検索(荻原) 静止期の大腸菌を高圧処理(25℃、300MPa、30分)した後、デソキシコール酸含有のDESO培地にまくと殆どコロニーが出現しないことを見出だした。即ちデソキシコール酸に対して感受性となる。ところが高圧処理時に滅菌した5%スキムミルクを添加しておくと、可成り生菌数が回復することが分かった。この回復に効果がある物質の本体を調べた結果、スキムミルクに含まれる、カゼイン以外の蛋白質でしかも熱に安定であることが判明した。
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