2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニンジン体細胞胚形成におけるジベレリン合成酵素遺伝子の発現調節
Project/Area Number |
12660095
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三橋 渉 山形大学, 農学部, 助教授 (50192761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
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Keywords | ニンジン体細胞胚 / ジベレリン合成酵素 |
Research Abstract |
近年,植物の体細胞胚形成に植物ホルモンが重要な役割を演じていることが示されてきたが,その作用機作の詳細は依然不明な点が残されている.特に,ジベレリン(GA)については体細胞胚誘導・形成への関与は否定的に考えられてきた.本研究では,こうした歴史的背景を受け,ニンジン体細胞胚の形成とGAとの関係を明らかにするために,ジベレリン合成酵素および不活性化酵素に注目し,同酵素をコードすると考えられる遺伝子の単離,遺伝子産物の機能解析,および体細胞胚形成過程における発現解析,を行った. その結果,1)GA20-酸化酵素,GA3β-水酸化酵素,およびGA2-酸化酵素をコードすると思われる全長遺伝子をそれぞれ2種,3種,2種ずつクローニングすることに成功した.2)GA20-酸化酵素をコードすると思われる1種を除き,これら遺伝子を大腸菌内で発現させ,各翻訳産物のGA変換活性を調べたところ,これらがアミノ酸配列から予想された酵素活性を持つことが明らかとなった.3)上記7遺伝子の体細胞胚形成過程における発現を定量PCR法により解析したところ,GA3β-水酸化酵素をコードする3種の遺伝子は体細胞胚形成時にそれぞれ特徴的な発現パターンをみせた.一方,GA20-酸化酵素およびGA2-酸化酵素をコードする各遺伝子の発現は体細胞胚形成時に大きな変化をみせなかった.このことからGAが体細胞胚の形成に深く関与していることが示された.
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