2001 Fiscal Year Annual Research Report
メヒルギ胎生芽の根原基および根の形態形成と植物ホルモン作用機構の解析
Project/Area Number |
12660142
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
桝田 信彌 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (50078218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 環 鳥取大学, 農学部, 助手 (90294347)
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
矢口 行雄 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (50157971)
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Keywords | マングローブ / メヒルギ / 胎生芽 / 根原基 / 胎生種子 / 発根 / 植物ホルモン / ジベレリン |
Research Abstract |
1 メヒルギ胎生芽の発根過程に関与する内生ジベレリン(GA_S)の検索を行った。メヒルギ胎生芽の発根過程を下部根発根直前と発根直後・上部根発根直前と発根直後・太根発根直後の5過程に区分し、各過程の胎生芽の地下部を4部位に区分して試料とした。区分した部位を80%アセトで抽出し、これをBondo Elut DEAカラムで精製後、ODS-HPLCより精製分画を行い、得られた分画について、短銀坊主イネ幼苗テストをおこない、内生GA_Sの検索を行った。その結果、胎生芽の発根全過程でGA_Sの活性が見られ、ODS-HPLCによる保持時間32-35minには明瞭な活性が見られ、39-41minに活性が認められた。この39-40minの分画はGA_4の分画と一致した。下部根発根直前〜太根発根直後の全過程におけるGA_Sが活性化する胎生芽の部位は発根過程の時期により活性部位が変動して推移し、GA_Sは胎生芽全体に存在しているのではなく、発根過程に合わせて集約・拡散していると推察された。 2 GA_Sがメヒルギの発根に関与しているか否かの情報を得ることを目的として、胎生芽にGA生合成阻害剤処理を行いメヒルギの発根および根の成長に及ぼす効果について検討した。GA生合成阻害剤処理はウニコナゾール-p、AMO1618、プロヘキサジオンカルシュウムを50%アセトン(V/V)に溶解し、濃度を5段階に区分し処理に用いた。ウニコナゾール処理した胎生芽の発根率は100ppmと1000ppmでは発根が抑制される傾向を示した。また、シュートの伸長成長量は高濃度のものほど伸長成長量が低下した。プロヘキサジオン処理もウニコナゾール処理と同じような傾向を示したが、AMO1618では抑制効果は見られなかった。胎生芽の根の伸長成長量(根長)は、ウニコナゾールが最も抑制効果が表れ、根の伸長成長量は濃度が高くなるほど伸長成長量が少なく、抑制効果が認められた。以上のことからメヒルギの発根および根の成長には内生GAが関与している可能性が示唆された。
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