2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660262
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
矢野 史子 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (30101249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 武士 近畿大学, 農学部, 助教授 (00088189)
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Keywords | 家畜排泄物 / 繊維分解酵素 / フィターゼ / セルラーゼ / キシラナーゼ / ペクチナーゼ |
Research Abstract |
市販されている4種の繊維分解酵素を用いて、in vitro試験とin vivo試験を行った。 1、市販の繊維分解酵素剤 ドリセラーゼ(I.lacteus由来)、スミチームAC(A.Usami mut.shiro-usami由来)、スミチームC(T.reesei,T.viride由来)のセルロース分解効果をin vitroで検討した。なお、フィターゼの繊維分解効果も検討した。37℃で3、9時間の震盪培養後のセルロース糖化量は、スミチームAが最も高く、ついでドリセラーゼ、フィターゼ、スミチームCの順であった。 2、ラットに上記3種の繊維分解酵素を添加した精製飼料を給与し、消化試験を実施した。なお、フィターゼを併用し、共存の影響を検討した。各区は(1)対照区、(2)フィターゼ区、(3)フィターゼ+ドリセラーゼ区、(4)フィターゼ+スミAC区、(5)フィターゼ+スミC区である。各飼料を2週間給与し、後半7日間に消化試験を実施、試験終了後採血と殺して消化管内容物を採取した。動物試験の結果、生糞排泄量、乾物消化率は、各区による違いは認められなかった。繊維消化率は、フィターゼの添加で繊維消化率は有意な低下を示し、ドリセラーゼ、スミチームACの併用でもフィターゼによる低下を改善しなかった。スミチームCの併用は繊維消化率を対照区と同等にまで増加させフィターゼの影響を抑制した。精製飼料給与時の消化管内では、フィターゼによる繊維分解酵素活性阻害が生じているようであった。また酵素添加区では窒素消化率も低い結果となった。 3、ブロイラーヒナに繊維源としてコーヒー粕を給与し。セルラーゼ(オノズカ)とフィターゼによる繊維分解効果を出納試験で検討した。難消化性の繊維成分の多いコーヒー粕添加飼料ではセルラーゼおよびフィターゼを添加してもADF,NDFの利用性は向上せず、窒素やリンの利用性も改善されなかった。 4、in vitro試験とin vivo試験の結果は必ずしも一致せず、さらにラットおよびヒナを用いた試験を実施する予定である。
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