2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670013
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
篠原 春夫 三重大学, 医学部, 助教授 (90187378)
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Keywords | 神経幹細胞 / G蛋白質 / 百日咳毒素 / 神経細胞産生 / ラット / マウス |
Research Abstract |
1.成獣における神経幹細胞 成獣ラットにBromodeoxyuridine(BrdU)を腹腔内投与し、一定時間が経過した後に灌流固定して脳組織を取り出してパラフィン包埋して切片を作成した。得られた切片を抗BrdU抗体とG蛋白質抗体で染色すると、"神経幹細胞"がたどるrostral migratory streamがこれらの抗体で染色されたことから、神経幹細胞はGi2をもっていることが明らかになった。 2.マウス胎仔の脳室に百日咳毒素を注入する予備実験 胎生期の脳組織は活発に神経細胞を産生しているが、こういった発生途中の脳には百日咳毒素(PT)感受性G蛋白質が局在している。そこで、PTを注入してそういったPT感受性G蛋白質を不活化して、それが脳の発生にどのような影響をもつかを調べた。妊娠14日目の母親マウスの腹腔を開いて子宮を取り出して胎仔の脳室にPTを注入して再び腹腔内に戻して縫合し、妊娠18日目に胎仔を固定して脳を観察した。その結果、PTを注入した脳はコントロールに比較して脳が小さく、脳皮質も薄かった。また、脳室周囲の神経上皮細胞が盛んに分裂して神経(芽)細胞を産生する層が非常に薄く、細胞密度も低かった。このことから、PT感受性G蛋白質が神経(芽)細胞の産生に非常に大きな役割を果たしていることが明らかになった。
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