2000 Fiscal Year Annual Research Report
心身症におけるストレスの客観的指標としての唾液中クロモグラニンA濃度の測定と評価
Project/Area Number |
12670434
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 順 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90216391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 洋西 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40133962)
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Keywords | 唾液中human chromogranin A / 精神的ストレス / 数値逆唱ストレス負荷 |
Research Abstract |
【目的】メンタルヘルスの重要性が社会的にも認識されてきており、精神的ストレスを客観的かつ非観血的に評価する簡便な指標を開発することが要請されている。我々はこの指標として唾液中human chromogranin A(以下CgA)濃度の有用性を検討した。今回の検討では、精神的ストレス負荷前後での唾液中CgA濃度の変動をデータの安定性を含め検証した。【方法】健康成人24名を対象に、3分間隔で計6回の唾液採取を行った。30分間安静の後、安静時の採取(1、2回目)、実験内容の教示後(3回目)、3分間の数値逆唱ストレス負荷直後(4回目)、再び安静とした後(5、6回目)に採取した。唾液採取用コットンをそれぞれ2分間口腔内に含ませ、唾液採取と同時に血圧、脈拍数、自覚的ストレス評価スコアを測定した。唾液を直ちに凍結保存し、後日EIA法によりCgA濃度を測定した。【結果】ストレス負荷前の安静時(2回目)、負荷直後(4回目)、負荷後の安静時(6回目)の唾液中CgA濃度はそれぞれ0.37±0.07、1.09±0.29、0.29±0.05(p mol/ml)であり、負荷前後の安静時との比較でストレス負荷直後の唾液中CgA濃度にそれぞれ有意な上昇が認められた(p<0.0005、p<0.0005)。【結論】安静後の精神的ストレス負荷により唾液中CgA濃度の有意な一過性の上昇が認められた。唾液中CgA濃度が精神的ストレス評価の客観的指標になり得ると考えられた。
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