2001 Fiscal Year Annual Research Report
心身症におけるストレスの客観的指標としての唾液中クロモグラニンA濃度の測定と評価
Project/Area Number |
12670434
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 順 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90216391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 健 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60337136)
井上 洋西 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40133962)
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Keywords | 唾液中ストレスマーカー / chromogranin A / ストレス / 心身症 / うつ病 / 自律神経機能 / 抑うつ状態 |
Research Abstract |
【目的】社会におけるメンタルヘルスの重要性が高まる中、精神的ストレスを客観的かつ非観血的に評価する簡便な指標の開発が望まれている。我々はこの指標として唾液中human chromograninA(以下CgA)の有用性を検討した。今回はストレスが自律神経系に影響を及ぼす病態モデルとして、うつ病患者における唾液中CgAについて検討を行った。【対象】当科外来初診のうつ病患者8名:DSM-IVにより軽症または中等症と診断された者(以下、D群)および健康成人20名(以下、対照群)【方法】座位にて10分間の安静後、綿球を3分間口腔内に含ませ1分間隔を畳いて安静時唾液を計2回採取し、検体を直ちに冷凍保存した。解凍後綿球を遠心分離にて唾液を収集しEIA法によりCgA濃度および総蛋白量を測定した。2回の測定値の平均値を比較検討した。(1)D群(初診時)と対照群における唾液中CgA濃度および蛋白補正値の比較検討。(2)D群の治療経過における唾液中CgA濃度および蛋白補正値の検討。【結果】(1)唾液中CgA濃度はD群0.36±0.06pmol/ml、対照群1.59±0.37pmol/mlであり、D群は対照群と比較して有意に高値を示した(p<0.05)。(2)治療前と比較し治療2週間後にCgAが上昇する群と低下する群に分かれたが、4週間後以降は病状改善とともにCgAが低下した。【結論】唾液中CgA濃度の変動は自律神経機能の変調を来たす抑うつ状態の病態評価の客観的指標としても有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)