2001 Fiscal Year Annual Research Report
複合糖脂質ノックアウトマウスを用いたガングリオシドの神経再生に於ける役割の解明
Project/Area Number |
12670602
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
安田 斎 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80135467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 寛道 滋賀医科大学, 医学部, 医員
前田 憲吾 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80324581)
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Keywords | GalNac Transferase / GD3 synthase / ノックアウトマウス / 小脳顆粒細胞 / 神経突起進展 / MAG / GT1b |
Research Abstract |
1.小脳顆粒細胞神経突起伸展に及ぼすMAGの影響の検討 我々はGalNAcT欠失マウス(以下GalNAcT-/-)およびGD3合成酵素欠失マウス(以下GD3S-/-)の小脳顆粒細胞(以下CGN)とMAGとの相互作用をin vitroで検討した。生後約1週のノックアウトマウス由来のCGNを単離、初代培養しMAG-Fc融合蛋白と24時間孵置後neurofilamentに対する抗体でCGNを染色し神経突起の長さを計測した。野生型においては従来報告されている通りMAGによる神経突起進展抑制作用が見られたが、GalNAcT-/-由来のCGNにおいてはこの神経突起進展抑制作用は認められなかった。GD3S-/-由来のCGNでは神経突起進展抑制作用は認められるもののその程度は野生型よりも小さかった。 2.小脳顆粒細胞とMAGとの接着の検討 MAG-Fc融合蛋白のFc portionに対する抗体によりMAGのCGNに対するbindingを検討した。野生型においてはCGNの神経突起、細胞表面上に顆粒状にMAGの染色が認められ、抗GTlb抗体によって示されるGTlbの局在と一致していた。一方GalNAcT-/-由来のCGNにおいてはGTlbの染色性は認められず、MAGのbindingも野生型に比べ大幅に低下していた。GD3S-/-由来のCGNは野生型と同様のMAG結合パターンを示したが、部分的な神経突起進展抑制作用を示すに留まった。以上の成績はGalNAcT-/-がMAGのligandであるGTlbやGDla全てを欠失ていること、GD3-/-はGDlaを含むa-seriesのガングリオシドが残されれていることを考慮するとMAGのligandとしてのガングリオシドの重要性を示唆するものと考えられる。
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Research Products
(1 results)