2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射光・マイクロCT法を用いた心筋微小循環障害責任細動脈の構造・機能解析
Project/Area Number |
12670714
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 勝邦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (80106351)
立花 博之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助手 (00241216)
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究所, 教授 (70029114)
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Keywords | 冠血管 / 微小循環 / 放射光 / マイクロCT / 心筋虚血 / 細動脈 |
Research Abstract |
冠細動脈など心筋血流を調節する微小血管の構築は心筋内で不均一であることがヒトでも知られおり、心筋内血流分布に微小循環レベルで著しい不均一性をもたらす。本研究では、心筋内微小血管の構築と機能の両面から、特にそれらの不均一性に着目して検討することで、冠微小循環障害の理解と合理的な予防・治療法の開発に寄与することを目指した。本年度は、初年度の主な研究実績である世界最大エネルギー放出光第三世代放射光(SPring-8)とmicroCT装置(日鉄エレックス社製ELE SCAN、分解能10mm)を用いた冠細動脈構築・機能のイメージング法を応用して心筋内微小血管のダイナミックな構造・機能解析を進めた。サンプルとしては、本研究代表者らが導入した定常的収縮状態、および定常的拡張状態で停止させた心筋を用い、心筋内微小血管が心筋収縮によって変形する過程を定量的に評価した。その結果、左室心筋全層にわたる微小血管構築を明瞭に描出することに成功し、従来2次元的な解析に基づいていた、心筋収縮が心筋内微小循環へ及ぼすメカニカルストレスによる直接的な影響の定量的評価を3次元的な解析へと発展させることに成功した。また、血管内皮機能障害、微小心筋虚血発生との関連において臨床的に重要な問題である虚血-再灌流の病態モデルにおける微小血管機能の解析から、NADH蛍光によって評価される微小心筋のミトコンドリアへの酸素供給不全が局所血流量によって支配されていることが明らかになった。その際、虚血に陥りやすい微小領域では血流の時間的な調節能力が障害されていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Merkus D: "Stenosis differentially affects subendocardial and subepicardial arterioles in vivo"Am J Physiol. 280・4. 1674-1682 (2001)
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[Publications] 梶田達也: "冠微小循環レベルでの心筋代謝機能と血流分布のイメージングおよび両者の空間的相互相関に関する解析"日本バイオレオロジー学会誌. 15・3. 97-107 (2001)
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[Publications] Toyota E: "Dynamic changes in three-dimensional architecture and vascular volume of transmural coronary microvasculature between diastolic-and systolic-arrested rat hearts"Circulation. 105・5. 621-626 (2002)