2001 Fiscal Year Annual Research Report
転移性骨腫瘍による疼痛の緩和と病巣抑制のための放射性医薬品の開発
Project/Area Number |
12670860
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高山 輝彦 金沢大学, 医学部, 教授 (20171556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野口 昌久 金沢大学, 医学部, 助手 (30283120)
辻 志郎 金沢大学, 医学部, 助教授 (70227388)
天野 良平 金沢大学, 医学部, 教授 (30111769)
鷲山 幸信 金沢大学, 医学部, 助手 (80313675)
|
Keywords | 転移性骨腫瘍 / 疼痛緩和剤 / ルテチウム-177 / EDTMP / 骨髄毒性 / 被曝線量 / ストロンチウム-89 |
Research Abstract |
われわれは、転移性骨腫瘍による疼痛の緩和剤として^<177>Lu-EDTMPを研究している。今回は、^<177>Lu-EDTMPを投与した場合の骨髄毒性と被曝線量について研究を行った。 (1)マウスに^<177>Lu-EDTMP(5MBq、10MBq、15MBq)を尾静脈より投与し、赤血球数、白血球数、血小板数についてその変化を経時的に48日間、観察した。マウスの成長についても同様に観察した。 マウスへの^<177>Lu-EDTMPの10MBq以下の投与では、赤血球数は変化せず、白血球数および血小板数の一時的な減少があったが、投与48日後には完全に回復した。この時点で骨髄の病理組織学的変化は認められなかった。マウス1匹あたり、<177>Lu-EDTMPの15MBqの投与でも致死的な急性障害は起こらなかった。この場合も投与しないマウスと同様に体重が増加し、成長した。 (2)マウスに^<177>Lu-EDTMPを尾静脈より投与し、体内分布と体内残存率を測定した。動物実験から得られたデータを基にMIRD法により内部被曝線量を計算した結果、^<177>Lu-EDTMP 1mCi(37MBq)を人間に投与した場合の全身、骨、骨髄の被曝線量はそれぞれ3.57mGy、23.42mGy、24.87mGyであった。また、ラットに^<177>Lu-EDTMPを靜注した場合の体内分布から人間の被曝線量を計算すると、マウスのデータから計算した値よりやや高い値を示した。同様にラットの体内分布から^<89>SrCl_2または^<153>Sm-EDTMP(この化合物の体内分布は文献値より)を人間に投与した場合の被曝線量を計算し、上記のラットのデータから計算した^<177>Lu-EDTMPの被曝線量と比較した。その結果、全ての標的臓器において^<177>Lu-EDTMPの被曝線量は^<89>SrCl_2よりかなり少なく、^<153>Sm-EDTMPよりやや多かった。
|