2001 Fiscal Year Annual Research Report
造血器腫瘍にみられる染色体転座に関連した蛋白群の機能解析
Project/Area Number |
12670973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 克己 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40291322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 久丸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90181130)
小池 由佳子 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
辻野 志穂 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50251236)
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Keywords | 染色体転座 / 造血器腫瘍 / DNA結合蛋白 |
Research Abstract |
造血器腫瘍にはしばしば染色体転座が認められるが、その転座自体の生じる機構に関しては、未だ不明な点が多く残されている。我々はこれまでに転座の発生に関与する可能性を秘めた新規因子を単離し、Translinと命名した。しかしこの蛋白は、種々の解析によっても、生体内での生理活性や染色体転座機構への関与の詳細は未だ不明のままである。我々はその解決のために、マウスのTranslin遺伝子のゲノム構造と詳細なその制限酵素地図を基にして、相同組換えにより目的の遺伝子を欠損させるためのTargetVectorを作成した。これをマウスのES細胞に形質導入し、選別されたクローンを培養増殖させた後、得られたDNAを適切な制限酵素とプローブを用いサザンブロットを行って、目的とする遺伝子領域が相同組換えを起こしたと思われるクローンを選別した。その一部をマイクロインジェクション法により、借り親の卵細胞に注入し融合させ、生まれ出たキメラマウス(体毛で識別)の中で、キメラ率の高いマウスを選別した。現在、このキメラマウスと別のマウスと交配してF1マウスを作成し、目的の遺伝子がヘテロに欠失しているマウスを選別中である。今後、これらのマウス同士でさらに交配してF2をつくり、その中から産まれてくるKOマウスを選別し、解析を行う予定である。 その一方、TranslinをbeitとしたYeast Two-hybrid systemにより単離された新規遺伝子rp58(転写抑制因子と想定されている)においても、同様の手法によりKOマウスの作成を行った。この結果、生まれ出たF2マウスのうち1/4は、生後すぐに呼吸不能のため致死的となり、DNA解析によりこれがrp59 KOマウスであることが判明した、現在、このマウスについての解析を同時に行っている段階である。
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