2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳癌および乳腺組織におけるp73、p51/p63遺伝子の機能についての研究
Project/Area Number |
12671152
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小田 高司 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237564)
神谷 順一 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80126888)
松田 覚 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50242110)
濱口 道成 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90135351)
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Keywords | p73遺伝子 / 乳癌 / アポトーシス / mitosis / p53遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では免疫組織化学的に乳癌組織内の癌細胞におけるp73遺伝子の発現を解析し、p73遺伝子の発現と細胞増殖能、アポトーシスおよび臨床的な癌悪性度との関連を検討した。【方法】乳房切除術を施行した75症例を対象とし、TSA indirect systemを用いp73染色を行った。細胞核が明瞭に染色された腫瘍細胞が0.5%以上の症例をp73陽性と定義した。【結果】15症例(20%)においてp73染色は陽性であった。年齢、腫瘍径、リンパ節転移陽性率、エストロゲンレセプター陽性率はp73陽性群、p73陰性群における有意差は認められなかった。AI(Apoptotic Indedx)はP73陽性群(中央値2.01%、幅1.14〜6.56%)においてp73陰性群(0.48,0.06〜4.9%)より有意に高値を示した(p<0.05)。また、MI(Mitotic Index)はp73陽性群(2.00,1.08〜3.41%)において陰性群(0.37%,0.01〜2.41%)より有意に高値を示したp<0.05)。P73陽性、高増殖能(MI≧1.0%)群のAI(n=15,中央値2.00%,幅1.08〜3.41%)は、p73陰性群、高増殖群のAI(n=18,1.65%,0.24〜2.41%)、より高い傾向を認めたが有意差は認められなった。1年以内に遠隔転移をみとめた4例はこのp73陰性、高増殖群にふくまれ、アポトーシスの頻度は低かった。P53免疫染色を行い、p53過剰発現は22例(29.3%)に認めた。P73(+)/p53(+)群のAIは2.17%(0.1-3.41%)でP73(-)/p53(+)群の1.12%(0.25-2.40%)より有意に高値を示した。過剰発現したp53変異蛋白はp73蛋白の機能を抑制しなった。 【総括】1.高増殖を示す乳癌においてp73遺伝子のアポトーシス誘導への関与の可能性が示唆された。2.高増殖を示す乳癌においてp73遺伝子の発現低下と遠隔転移能の獲得との関連の可能性が示唆された。3.p53変異蛋白はp73蛋白の機能を抑制しなった。
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Research Products
(1 results)