2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671306
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
仁科 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (30314214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
西村 和修 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70252450)
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
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Keywords | 虚血性心筋症 / 左室形成術 / リモデリング / 心筋梗塞 / エンドセリン / 脳性利尿ペプチド |
Research Abstract |
虚血性心筋症に対する左室形成術(LVR)では術後の成績や長期管理において不明なことが多い。昨年度、ラットモデルにおける検討では、術後遠隔期に左室リモデリングを来し、生理学的検査及び分子生物学的検査にて左室機能が悪化することを報告した。 これに対し、左室縫縮の程度に問題があることを考え(左室容積の過度の縮小)、虚血性心筋症ラットモデルに対し、縫縮レベルの違いによる手術後の心機能評価を試みた。しかし、縫縮を軽度に行ったラットでは、残存した壊死部が著明に拡大して嚢状瘤を形成することが判明したため、この研究は断念した。 続いて、遠隔期の左室リモデリングの原因を調べるべく、分子生物学的評価として、LVR後にエンドセリン-1(ET-1)についての評価を加え、以下のような検討を行った。 方法;SDラットの左室前壁に心筋梗塞作成し、4週間後に虚血性心筋症モデルが完成する。これを、心筋壊死部を縫縮法によりLVRを行なったR群と開胸のみのSham群(S群)に分けた.この手術前、1週後および4週後に、心エコーを試行。さらに1週後4週後に心臓カテーテル検査と、BNP mRNAおよびET-1 mRNAをNothern blot法で測定した。 結果;LVRの1週後にR群ではLV motionおよびLV sizeは改善し、Emaxもsham群より有意に高かったが、これらは4週後にはsham群と同レベルとなった。BNP mRNAも1週後はR群でS群より低く、心不全の改善を示唆したが、4週目には有意差がなくなった。ET-1においては、1週目にR群で有意に高かったが、4週目にはS群と同じレベルとなった。 考察および結論;LVRはLV機能を早期に改善するがその効果は長く続かなかった。ET-1は心不全の指標というより、心不全の進行に重要な働きをするという説もあり、手術操作等がET-1の分泌を刺激して、左室リモデリングを来す可能性が示唆された。LVRの手術成績向上に、ET-1 blocker等の薬剤投与が有効である可能性があり、今後検討を要する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takeshi Nishina: "Initial Effects of the Left Ventricular Repair by Plication May Not Last Long in a Rat Ischemic Cardiomyopathy Model"Circulation. 104 suppl I. I-241-I-245 (2001)
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[Publications] Sadatoshi Yuasa: "A rat model of dilated cardiomyopathy to investigate partial left ventriculectomy"Journal of Cardiac Surgery. 16. 40-47 (2001)
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[Publications] 仁科 健: "虚血性心筋症の外科治療"Cardiovascular Med-Surg. 3. 228-233 (2001)
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[Publications] Takeshi Nishina: "A Rat Model of Ischemic Cardiomyopathy for Investigating Left Ventricular Volume Reduction Surgery"Journal of Cardiac Surgery. (in press).