2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10240847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40252647)
太田 三徳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30203805)
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Keywords | NFKB / decoy / HVJ-liposome / 急性拒絶反応 / 肺移植 / 肺傷害 / NO |
Research Abstract |
目的:移植肺にNFkBの活性を抑制するdecoy(おとり核酸)の遺伝子導入を行い急性拒絶反応時での肺傷害抑制効果を検討。方法:BN-LEWラット異系肺移植モデルで、HVJ-liposome遺伝子導入法を用いてドナー肺をNFkB decoy(NFkB結合部位と同じ塩基配列を含む20塩基対2本鎖DNA10μg ; N群(n=8))またはscrambled decoy(ランダムに配列した20塩基対2本鎖DNA10μg ; C(対照群(n=11))を混入した灌流液(PBS20ml)でフラッシュしてから摘出し、4度80分間の保存の後に左肺移植を行った。術後5日目に、対側肺門を結紮して100%O2換気5分後の動脈血液ガス分析ならびに呼気中NO濃度定量、犠牲死後の移植肺の組織学的検討(遺伝子導入効率(蛍光色素分布)、拒絶反応の組織学的grading(gradeA0-4))。結果:遺伝子導入効率を、蛍光色素でラベルしたdecoyを使用して移植後4時間、24時間、5日目で判定し、術後4時間では細胞内への分布は明らかでないが組織全体に蛍光色素の分布を認め、24時間後、5日目では、気道上皮、マクロファージ、血管内皮、肺胞上皮への分布を確認。術後5日目のPaO2はN群(185±71mmHg)がC群(94±58mmHg)に比して有意に高値(P=0.011)。呼気中NO濃度はN群(539±439ppb)がC群(1,114±584ppb)に比して有意に(P=0.044)低値。rejection gradeはN群(1.6±1.1)がC群(2.5±1.3)に比して低い傾向(P=0.09)。結語:移植肺へのNFkB decoyの導入は急性拒絶反応による肺傷害を軽減させうる可能性が示唆された。
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