2001 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脳損傷における脳低温療法の作用機序の解明-apoptosisと低温ストレス蛋白を用いた研究
Project/Area Number |
12671488
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森 和久 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10253999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正志 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70254000)
奈良 理 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90253997)
伊藤 靖 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80232479)
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Keywords | 脳低温療法 / 虚血性脳損傷 / 海馬 / ストレス蛋白 / Ubiquitin / HSC73 / ORP150 |
Research Abstract |
脳低温療法は重症頭部外傷や蘇生後の虚血後脳症に対し脳浮腫軽減作用を持ち、二次性の脳損傷を防止し脳保護作用を発揮するとされている。脳低温療法の作用機序に関して近年ストレス蛋白の関与が指摘されているが明確な解明はなされておらず、虚血脳に対する脳低温療法の脳保護作用は未だ不明な点が多い。本研究ではブタ全脳虚血再潅流モデルを作成し脳低温療法時のstress proteinの発現を観察し、虚血後における脳低温療法の脳保護作用について検討した。 方法:ブタ(n=12,34.5-85.0Kg)を用い20分間のVfの後に人工心肺で蘇生させたブタ全脳虚血再潅流モデルを作成した。これらを常温管理群(n=6)、低温管理群(n=6)に分け、常温管理群は37℃で、低温管理群は32℃で蘇生後24時間管理した。24時間後に脳を摘出し海馬CA1領域でstress protein (Ubiquitin、HSC73、ORP150)の発現について免疫組織染色によって解析を行った。また虚血を起こさせずに32℃の低温管理のみを24時間行った対照群との間で比較検討を行った。 結果:虚血後脳低温によってUbiquitinの核内での発現とOPR150の細胞質での発現レベルの増強が認められた。 考察:Ubiquitinは虚血によって細胞質に発現し遅発性細胞壊死に関与しているORP150は虚血時に発現が誘導され脳保護的に作用する 今後の展望:ストレス蛋白は分子レベルでの脳低温療法の脳保護作用に関与することが本研究によって示唆され、今後低温環境に特異的に発現するストレス蛋白などを用いた研究により更なる解明が期待される。
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Research Products
(1 results)