2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671548
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 敦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20274946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
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Keywords | 腎細胞癌 / 樹状細胞 / FLT-3リガンド / FLT-3 / 免疫療法 |
Research Abstract |
樹状細胞(dendritic cell : DC)は、T細胞を活性化する強力な抗原提示細胞(antigen presenting cell)であり、腫瘍免疫においても重要な役割を果たすものと期待されている。DCの分化、増殖にはGM-CSF, TNF-alphaなどのいくつかの成長因子が必要とされるが、FLT-3リガンドーFLT-3系の関与も報告されている。我々は、以前あるヒト腎細胞癌細胞株において通常は上皮系の腫瘍では存在しないとされるFLT-3が発現していることを見いだした(Biochem Biophys Res Commun,1995,214:60)。そこで、我々は今後のFLT-3リガンドを含めたDCを利用した腎細胞癌の免疫療法を見据えて、ヒト腎細胞癌株においてFLT-3リガンドおよびFLT-3の発現の有無を検討した。 【結果】 1.RT-PCR、免疫染色によりFLT-3の発現を検索した結果、すべての細胞株においてその発現を認めた。 2.RT-PCRによりすべての細胞株においてFLT-3リガンドの発現を認めた。 3.FLT-3リガンドを1-100ng/mlの濃度で腎細胞癌細胞株に投与した結果、すべての細胞株において増殖効果を認めなかった。 以上より、腎細胞癌においてFLT-3リガンドを用いたDC活性化による免疫療法が腎細胞癌の増殖に影響を与えず安全に施行可能と思われた。今後、in vivoにてFLT-3リガンドを用いた免疫療法は腎細胞癌の治療として効果的か否かを検討する。同時に、近年、FLT-3に特異的なチロシンキナーゼインヒビターが開発されており、これが腎細胞癌の増殖を抑制し、新たな治療法になりうるかについても検討していき予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Oda T, Miyao N, Takahashi A, et al.: "Growth rates of primary and metastatic lesions of renal cell carcinoma"International Journal of Urology. 8. 473-477 (2001)
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[Publications] Uchida K, Miyao N, Masumori N, Takahashi A, et al.: "Recurrence of renal cell carcinoma more than 5 years after nephrectomy"International Journal of Urology. 9. 19-23 (2002)
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[Publications] Kobayashi K, Sato T, Sunaoshi K, Takahashi A, et al.: "Spontaneous regression of primary renal cellcarcinoma with inferior vena caval tumor thrombus"Journal of Urology. 167. 242-243 (2002)
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[Publications] Sasamura H, Takahashi A, et al.: "Inhibitory effect on expression of angiogenic factors by antiangiogenic agents in renal cell carcinoma"Britishi Journal of Cnacer. 86. 768-773 (2002)
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[Publications] 高橋 敦, 塚本泰司: "改訂 泌尿器悪性腫瘍治療ハンドブック"新興医学出版. 18-25 (2001)