2000 Fiscal Year Annual Research Report
3次元画像分析による体平衡機能分析システムの開発とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
12671654
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡邉 行雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10108037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 正嗣 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50159357)
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Keywords | 体平衡機能 / 足踏み運動 / 三次元座標 / 画像情報処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光学的方法(ビデオ撮影)で記録した静止時身体動揺や足踏み運動など能動運動時の身体各部の動きを、画像情報処理により立体画像として再構築して定量的に分析することにより、体平衡機能を3次元的指標で評価する方法を開発し、臨床応用する事にあった。この目的を以下のように達成した。今年度は、足踏み運動を解析した。まず、実空間上に三次元座標系を設定する必要があるため、1.55m×3.2m×1.8mの空間内に、座標決定のための27の基準点に反射マーカーを置いて、カメラ2台で撮影した(キャリブレーション作業)。この後、被検者の両側頭部、両肩、両大転子に、直径2cm程度の反射マーカーを張り付けて、約30秒間の足踏み動作を行わせ、カメラ2台で撮影した。撮影後、ビデオ画像を再生してコンピュータのメモリに取り込み、画像データ867枚を得た。1枚毎の画像に写った反射マーカーのコンピュータ画面上の位置を読みとり、カメラ2台分のマーカー位置データとキャリブレーション値を元に、DLT法を用いて、実空間における3次元座標を計算した。動作の評価には、頭部回転角度、肩回転角度を用いた。頭部回転角度は、両側頭部の反射マーカーを結んだ直線が、身体長軸周りに回転した角度を示す。肩回転角度は、両肩の反射マーカーを結んだ直線が、身体長軸周りに回転した角度を示す。この方法で、健康成人5名と一側前庭障害患者4名について検討した。健康被検者では、頭部回転角度波形と肩回転角度波形には、若干の違いが認められた。しかし、一側前庭障害患者では、両回転角度が著しく一致していた。これは、前庭脊髄反射の障害により頭部運動の自立性要素が障害されるためと推察された。今回の研究で確立した方法をもとに、静的直立姿勢や歩行などについても、今後検討していく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fushiki H,Takata S,Yasuda K,Watanabe Y: "Directional preponderance in pitch circular vection."J.Vestib Res.. 10. 93-98 (2000)
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[Publications] Fushiki H,Takata S,Watanabe Y: "Influence of fixation on circular vection."J.Vestib Res.. 10. 151-155 (2000)
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[Publications] 浅井正嗣,碓井理恵,清水勝利,渡邉行雄: "日常生活動作の画像解析"Equilibrium Res. 59(6). 586-592 (2000)
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[Publications] 渡邉行雄: "静的平衡機能検査(直立検査,重心動揺検査など).「新図説臨床耳鼻咽喉科講座 第1巻.内耳」八木聰明他編"メジカルビュー社. 247 (2000)
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[Publications] 渡邉行雄: "動的平衡機能検査(足踏み検査,歩行検査など).「新図説臨床耳鼻咽喉科講座 第1巻.内耳」八木聰明他編"メジカルビュー社. 247 (2000)