2001 Fiscal Year Annual Research Report
3次元画像分析による体平衡機能分析システムの開発とその臨床応用に関する研究
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12671654
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡邉 行雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10108037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 正嗣 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50159357)
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Keywords | 光学的検査法 / 体平衡機能 / マン姿勢 / 単脚起立 / 一側前庭機能異常 / 反射マーカー |
Research Abstract |
本研究は、光学的方法で記録した、静止時身体動揺、足踏み運動などにおける身体各部の動きを、立体画像として再構築して定量的に分析する事で、体平衡機能の視覚的評価に対応した三次元指標を得る方法を開発し、臨床応用する事であった。足踏み運動についてはすでに平成12年度で検討した。今年度は、マン姿勢と単脚起立について以下のように検討した。 1.対象:マン姿勢は、めまい既往のない健常成人11名、一側前庭機能異常患者6名を対象とした。単脚起立は、めまい既往のない健常成人9名、一側前庭機能異常患者4名であった。 2.方法:昨年度と同様で、被検者の両側頭部、両肩、両大転子に、直径2cm程度の反射マーカーを張り付けて、閉眼で各姿勢をとらせ、後方からCCDカメラ2台を用いて撮影し、昨年度開発した方法でその動きを解析した。姿勢維持の評価をするために、(1)頭部偏倚角度と大転子偏倚角度の相関係数、(2)頭部回転角度と大転子回転角度の相関係数、の2項目を計算した。 3.結果:健常成人では、マン姿勢、単脚直立ともに、頭部回転角度と大転子回転角度の相関係数、頭部偏倚角度と大転子偏倚角度の相関係数は個人差が大であり、ばらつきの大きいことがわかった。患者では、マン姿勢で、頭部偏倚角度と大転子偏倚角度の相関係数平均値が0.78と健常人の0.39よりも高く、標準偏差も0.11と小さかった。単脚起立では、頭部偏倚角度と大転子偏倚角度の相関係数平均値が0.92(健常人は0.58)、頭部回転角度と大転子回転角度の相関係数平均値が0.87(健常人は-0.14)と圧倒的に健常人よりも高かった。 以上より、一側前庭障害患者では、明らかに頭部と体幹あるいは下腿が硬直して姿勢を維持しようとしていることが、明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shojaku H, Takemori S, Kobayashi K, Watanabe Y: "Clinical usefulness of glycerol vestibular-evoked myogenic potentials : preliminary report"Acta Otolaryngol(Stockh). Suppl 545. 65-68 (2001)
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[Publications] Mizukoshi K, Shojaku H, Aso S, Asai M, Watanabe Y: "Meniere's disease and delayed endolymphatic hydrops in children"Acta Otolaryngol(Stockh). Suppl 545. 6-9 (2001)
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[Publications] 渡邉行雄, 浅井正嗣, 將積日出夫: "めまい治療の現況と課題 迷路破壊術"JOHNS. 17(6). 819-824 (2001)
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[Publications] 渡邉行雄, 将積日出夫, 武田精一: "パソコンによる前庭誘発筋電位(VEMP)の計測"耳鼻咽喉科展望. 44補(2). 70-72 (2001)
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[Publications] 高田 訓, 浅井正嗣, 渡邉行雄: "スキーおよび体操競技選手の体平衡"Equilibrium Res.. 60(1). 37-43 (2001)
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[Publications] 浅井正嗣, 清水勝利, 小林健二, 渡邉行雄: "一側前庭障害患者の動作解析"第22回バイオメカニズム学術講演会SOBIM2001予稿集. 21-24 (2001)
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[Publications] 渡邉行雄: "メニエール病.「CLIENT21-5.内耳・内耳道」野村恭也編"中山書店. 12 (2001)