2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄プロテオグリカンのin vivo, in vitroにおける構造と機能に関する研究
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12671762
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80187400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 俊一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60114758)
鳥居 秀平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10302887)
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Keywords | 歯髄 / プロテオグリカン / バーシカン / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
平成12年度はバーシカンを中心とした歯髄プロテオグリカンの構造に関する基礎的な研究を生化学、組織化学両面から行おこなった。 まず、バーシカンがIn vivoで実際にヒアルロン酸と会合体を作って存在しているかどうかを検索する目的でassociative抽出と密度勾配ゾーナル沈降速度遠心を用いた実験を行った。すなわちラット歯髄組織を0.5M塩酸グアニジンで抽出し、抽出物を硫酸セシウム濃度0.5M-0.15Mの直線濃度勾配を形成した遠心管の上に重層し25,000rpmで遠心した後、各fractionを解析した。その結果確かにバーシカンは歯髄中では大部分がヒアルロン酸と会合体を作って存在していることがわかった。この結果は論文に発表した。 In vivoの形態学的な実験系として生直後から8週令に至るまでのラット臼歯歯髄におけるバーシカンとヒアルロン酸の分布に関する組織化学的研究を行った。その結果両物質の発現は年令と共に変化しまた歯冠歯髄と歯根歯髄において分布に違いがあることも判明した。この結果も論文にまとめ現在印刷中である。 In vitroの系として、ラット歯髄細胞の培養系を利用してラジオアイソトープを培地に加えて標識しプロテオグリカンの解析を行ったところ、培地中にはバーシカンタイプの大型プロテオグリカンの他、デコリン、バイグライカンタイプの小型プロテオグリカン、さらにBSPと考えられる硫酸化タンパクが分泌されることが判明した。細胞層にはこれらの物質の他へパラン硫酸プロテオグリカンが存在していた。さらにこれらの物質の発現量はビタミンCによって制御されていることも理解された。結果に関しては現在論文にまとめている最中である。 このように本年度は歯髄プロテオグリカンの構造に関する基礎的な研究を比較的順調にすすめることができた。来年度以降はこの結果を踏まえてプロテオグリカンの機能を検索するような実験系を組む予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Shibata,S.Yoneda, et al.: "Isolation of proteoglycan (versican) aggregates from rat dental pulp."Archives of Oral Biology. 45. 563-568 (2000)
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[Publications] S.Shibata,N.Suda et al.: "Mandibular deformities in parathyroid hormone-related protein (PTHrP) deficient mice : possible involvement of masetter muscle."Anatomy and Embryology. 202. 85-93 (2000)
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[Publications] S.Shibata,K.Fukada et al.: "Histochemical localisation of versican, aggrecan and hyaluronan in the developing condylar cartilage of the fetal rat mandible."Journal of Anatomy. (In Press). (2000)
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[Publications] S.Shibata,S.Yoneda et al.: "Developmental changes and regional differences in histochemical localisation of hyaluronan and versican in postnatal molar dental pulp."International Endodontic Journal. (In Press). (2001)