2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671793
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
吉田 寿穂 朝日大学, 歯学部, 助手 (80102119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明坂 年隆 朝日大学, 歯学部, 教授 (70116523)
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Keywords | 破骨細胞 / 急速凍結凍結置換 / ディープエッチング / 凍結乾燥 / 刷子縁 / 細胞膜裏打ち構造 |
Research Abstract |
破骨細胞の刷子縁は骨のミネラルと基質の除去が行われる機能面である。骨切片、人工アパタイトペレット上に分離培養した破骨細胞を用い、骨吸収を行っている破骨細胞刷子縁の超微細構造の観察を行った。観察試料は細胞の超微細構造の固定、とくに膜構造の保存とその解析に有用とされる急速凍結技法を用い作製した。試料は急速凍結・凍結置換法で超薄切片を作製したものと急速凍結固定後に試料の水分を昇華させるディープエッチング、凍結乾燥を行い白金とカーボンを蒸着し金属レプリカ膜を作製して何れの試料も透過型電子顕微鏡にて観察を行った。この試料作製法では凍結固定時の氷晶形成による構造破壊が大きな問題となるが、骨切片、人工アパタイトペレットの何れを用いた試料ともに良好な凍結固定が得られた。細胞膜をはじめとする細胞小器官の各膜はその微細構造がよく保たれ、各細胞膜の裏打ち構造が観察された。破骨細胞による骨基質の分解は刷子縁側から側底部表面に向かうトランスサイトーシス、GTP結合調整タンパクに依存する輸送が報告されている。本研究で観察された刷子縁の細胞膜裏打ち構造は吸収窩の局所的酸性領域を生み出し維持するための構造で、刷子縁側から側底部側まで細胞中央部に広がる小胞細管状構造の膜裏打ち構造は吸収した骨基質の輸送、トランスゴルジ網との膜融合に関わる構造であることが示唆される。今後、膜裏打ち構造と細胞骨格との関係および裏打ち構造を免疫細胞化学的に解明する計画である。
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