2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルス感染症の口腔病変に関する電子顕微鏡学的研究
Project/Area Number |
12671952
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 一正 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00117516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
簗瀬 泰子 鹿児島大学, 歯学部, 教務職員 (70253903)
石神 哲郎 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (30232276)
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Keywords | ヒト免疫不全ウイルス / 口腔病変 / 電子顕微鏡 / 口腔カンジダ症 / HIV関連歯周疾患 |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症患者は、ある時期になると口腔カンジダ症、口腔毛状白板症、口腔内カポジ肉腫、HIV関連歯周疾患などの口腔病変を発症する。これらの口腔病変の発症病態の把握は、エイズの早期診断のみならず、その発症や予後判定の指標のひとつとして重要である。われわれは、HIV感染症患者にみられた口腔カンジダ症の偽膜性病変部からの生検標本について電子顕微鏡学的観察を行った。その結果、口腔カンジダ症の走査型電子顕微鏡による低倍像の観察では、剥離傾向の強い上皮細胞の表面や間隙に細長くひも状にのびたCandida albicansの菌糸と球状に上皮細胞表面に付着する酵母様菌体が多数観察された。高倍像では、Candida albicansの菌糸は上皮細胞表面に杭を打ち込んだように細胞膜を貫通して細胞内へ侵入している所見や球状の酵母様菌体が上皮細胞表面に付着している所見が観察された。口腔カンジダ症の透過型電子顕微鏡による観察では、錯角化層から有棘細胞層上部にかけての上皮細胞の細胞質内に直径2μm前後で表面は無構造で透明な細胞壁と中心部に核を有する円形のCandida albicansの菌糸が観察された。
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