2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞が機械的刺激を生物的刺激に変換する機序を解明する研究
Project/Area Number |
12671998
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上岡 寛 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80253219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 学 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
山本 照子 岡山大学, 歯学部, 教授 (00127250)
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Keywords | 骨細胞 / メカニカルストレス / 細胞骨格 / 骨芽細胞 / 流体剪断応力 |
Research Abstract |
平成12年度の研究目的である骨芽細胞、骨細胞に機械的刺激を負荷した時に見られる細胞骨格の形態観察が行われた。まず、骨芽細胞株MC3T3-E1細胞を用いて、12dynes/cm^2の流体剪断応力を負荷し細胞骨格の蛍光観察を行った。蛍光標識ファロイジンを用いた実験で、アクチンは負荷前の細く核を囲むような走行から太く直線状に変化し、細胞の長軸に平行に走行することが観察された。免疫蛍光を用いた実験で、接着蛋白であるヴィンクリンは著しくその数、接着面積を増加し、同部でのチロシンリン酸化を伴うことが確認された。よって、骨芽細胞の細胞骨格および接着部位は機械的刺激に反応し再構築されていることが確認された。また、蛍光色素標識ヴィンクリンを細胞内に微少注入し機械的刺激を負荷し、生細胞での細胞接着部位の観察を行ったところ、細胞接着部位の機械的刺激に対する応答は10分後にはすでみられることがわかった。よって、機械的刺激に対して細胞骨格は迅速に応答することが明らかになった。骨細胞の機械的刺激に対する細胞骨格の応答も同時に検討されたが、骨細胞の細胞骨格は非常に安定しており骨芽細胞に比べその変化は少ないものであった。現在さらなる検討がなされている。 また、本年度のもう一つの課題である機械的刺激と遺伝子の発現がin situ hybridizationとRT-PCRを用いておこなわれた。我々は、ラットの歯牙移動をin situ hybridizationで観察し、CTGF(connective tissue growth factor)が機械的刺激に応答し骨細胞に発現することを確認した(J.D.R.in press)。そこで単離した初代骨細胞を用いて流体剪断応力を負荷した。骨細胞は機械的刺激を負荷することにより、CTGFを発現することがin vitroでも確認された。よって、今後の骨細胞のメカニカルストレスマーカーとしてCTGFを用いて実験を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kamioka,H.: "A three-dimensioned distribution of osteocyte processes revealed by the combination of CLS and DIC microscopy"Bone. 28・2(in press). (2001)
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[Publications] Yamashiro,T.: "Mechanical stimulation induces CTGF expression in rat osteocytes"Journal of Dental Research. (in press). (2001)
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[Publications] Tsuboi,Y.: "Mitogenic effect of neurotrophins on periodontal ligament cell line "Journal of Dental Research. (in press). (2001)
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[Publications] Yamashiro,T.: "Inferior alveolar nerve transection inhibits increase in osteoclast appearance during experimental tooth movement"Bone. 26・6. 663-669 (2000)
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[Publications] Yamashiro,T.: "Epithelieal rests of malassez expressed immunoreactivity of TrkA and its distribution is regulated by sensory nerve innervation"The Journal of Histochemistry and Cytochemistry. 48・7. 979-984 (2000)
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[Publications] Yamashiro,T.: "Medullary monoamine levels during experimental tooth movement"Brain research. 878. 199-203 (2000)