2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポペプタイド化合物によるカリニ肺炎治療薬の開発
Project/Area Number |
12672208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 隆久 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (30143514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 幹男 国立感染症研究所, 室長(研究職) (90114462)
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Keywords | 新規のリカニ肺炎治療薬 / リポペプタイド化合物 |
Research Abstract |
本研究課題では、新規のリポペプチド化合物であるβ-1,3-glucan合成酵素阻害物質によるカリニ治療薬の開発を目的とし、平成12年度は、β-1,3-glucan合成酵素阻害物質、FR-1およびFR-2のin vitroにおける抗P.carinii活性について調べ、従来のカリニ肺炎治療薬であるsul famethoxazole-trimethoprim(ST)合剤やpentamidineとその有効性を比較検討することを目的とした。方法は、マイクロプレートを用いたluciferin-lucifer aseバイオルミネッセンスにより抗P.carinii活性の測定をした。その概要は、10^7個のP.cariniiを0.1mlのmediumおよび抗P.carinii治療薬であるpentamidine(0.1-1.0μg/ml)、ST合剤 (0.1-1.0μg/ml),FR-1およびFR-2(0.01-0.63μg/ml)と共にマイクロプレートのウェルにいれる。培養開始後、12,24時間後に1/10量の培養液を取り除き、3.5%のトリクロル酢酸を加え、細胞質内のATPを抽出する。そして、その10μlをluciferin-lucifer ase系に加えてATP量を測定することにより、P.cariniiの生存細胞数を知ることができ、これらの抗P.carinii活性を調べた。その結果、培養24時間後では、ATP量は、カリニ肺炎治療薬を加える前に比較し、pentamidine(1.0μg/ml)で80%減少したが、ST合剤(1.0μg/ml)では10%の減少であった。FR-1およびFR-2については現在実験中であるが、ほぼpentamidineと同程度の抗P.carinii活性を持つことがわかった。
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