2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672265
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
細谷 たき子 福井医科大学, 医学部・看護学科, 助教授 (80313740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 幸代 福井医科大学, 医学部, 助手 (20313760)
長谷川 美香 福井医科大学, 医学部, 講師 (90266669)
別所 遊子 福井医科大学, 医学部, 教授 (20190176)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / 在宅介護 / ケアマネジメント / 目標達成 / 家族支援 / 社会サービス |
Research Abstract |
本年度は、痴呆高齢者へのケアマネジメント目標達成の影響要因と、効果的なケアマネジメントの特徴とを明確にすることを目的とした。対象の61名痴呆高齢者(女性69%)はケアマネジメントの結果が比較的良いとケアマネージャーが判断した者で、重度痴呆31%、中等度痴呆46%が占めていた。主なケアマネジメント目標(自由記載)を分類した結果12項目に分類され、もっとも設定率の高かったのは「介護負担の軽減」61%で、次に「痴呆進行予防」51%、「ADL/IAADL保持向上、転倒予防(ADL)」38%、「病状の安定、異常の早期発見(病状安定)」31%、「社会的交流増加」25%、「精神的安寧」23%、「清潔保持」20%、などであった。ケアマネジメント目標達成に影響した要因は、「精神的安寧」目標に対して「介護技術の獲得」「身体症状改善」「随伴精神症状・異常行動改善(精神症状改善)」が、「社会交流増加」目標に「身体症状改善」「精神症状改善」が、「介護負担軽減」と「痴呆進行予防」目標に「精神症状改善」であった。また、社会サービスのケアマネジメント目標達成への貢献度は、「介護負担軽減」に対してショートステイ59%、デイケア47%、「痴呆進行予防」に対してデイケア77%、訪問看護42%等であり、目標全体に対してデイケアの貢献度がもっとも高かった。 痴呆高齢者へのケアマネジメントの特徴は、1)家族支援がマネジメントの焦点であり、家族の訴えの傾聴、相談、社会サービス利用促進、医療保健福祉の専門職との情報交換促進などの支援が実施されていた、2)介護拒否、痴呆進行予防のための配慮がされ、本人へ無理のない介護が実施されるようにマネジメントされていた、3)精神・随伴症状、異常行動に対して精神科医に相談、精神デイケアに通所など専門的助言が受けられるように配慮され、また4)身体症状に対しては医療看護サービスの利用が確保されていた、などであった。
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