2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672281
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 欣子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (10264516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 康子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (80336411)
加藤 春樹 浅井学園大学, 人間福祉学部, 助教授 (70295939)
|
Keywords | 精神分裂病圏障害者 / リハビリテーション / ナラティブ・アプローチ / リカバリー |
Research Abstract |
回復途上にある精神分裂病圏障害者が自己の疾病や生活の体験及び日常生活に関する現実をどのように受けとめているのか、当事者の人生の跡付けと現在に関するナラティヴを聴取することによって、当事者のリカバリー像と外在的判断に留まる「障害受容」との疎隔を明示することになり、平成13年度には以下の成果を得た。 1.対象者のインタビュー記録を分析し、第1回日本国際精神障害予防学会に報告をした。精神分裂病圏障害者が自己の人生をストーリーテーリングすることはリハビリテーシヨン効果の指標となることが示唆された。報告内容を論文とし、第1回日本国際精神障害予防学会論文集に掲載予定である。 2.対象者のインタビュー記録を分析し、第9回日本精神障害者リハビリテーション学会に報告した。精神分裂病圏障害者は、家族や専門職、作業所の同僚等を相手に、自己の生活や思いを語る作業を何度も繰り返しながら自己の人生を構成化し言語化していた。精神障害者の地域リハビリテーションでは、精神分裂病圏障害者が、疾病や障害からの回復の過程で自己を主題化して行く作業を支えるマネジメントの必要性が示唆された。 3.さらに予定していた対象全員のインタビュー記録を分析し、報告書を作成した。回復途上精神分裂病圏障害者のリハビリテーション効果を測定する上でナラティブアプローチが有効であり、それが外在的「障害受容」と異なるコンテクストを持つことが見出された。
|
Research Products
(1 results)