2000 Fiscal Year Annual Research Report
姿勢の変化における心拍変動のスペクトル解析による自律神経機能評価に関する研究
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12672303
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Research Institution | Saitama Prefectural University. Junior College |
Principal Investigator |
横井 郁子 埼玉県立大学短期大学部, 講師 (90320671)
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Keywords | 姿勢 / 起立性低血圧 / 転倒 / 心拍変動 / スペクトル解析 / 自律神経 / 循環系 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は、生体計測機器パワーラブシステム、バイオアンプ、データ取り込みのためのパーソナルコンピュータPowerBookG3を購入した。これらと、大学の備品である血圧モニターを接続し、データ取り込みのための調整を行い、現実験施設での心電図、血圧の経時的モニタリングを可能にした。心電図RRのスペクトル解析は、パワーラブでの解析ソフトを購入、使用できるようにセッティングした。この解析方法は、すでに海外の主要な研究でも使用されている。予備実験として、計測した心電図のRR間隔の解析を今回セッティングしたものでの方法と、他の方法とで比較したところ、大差はないことを確認した。 臨床での臥床からの離床プログラムであるが、「様子を見ながら徐々に」といったあいまいなものが多い。起立性低血圧による転倒を指摘しているものはあるが、現実的には「脈をとりながら」「患者の訴えを聞きながら」というものであった。健常者(20歳前後)での本年度の実験において、リハビリテーションの初期の運動である掌握運動を、臥床、ベッドアップ45°の2つの状態で行ったところ、全身的に負荷が少ないと考えられている臥床状態であっても、血圧が上昇するケースがあった。脈拍はそれほど変化せず、自覚的にも問題はなかった。これらのことから、手軽な脈拍測定、患者の訴えだけでは離床における評価、特に循環系に問題のある患者や自律神経に変化が生じやすい高齢者では、十分とは言い切れないことが示唆された。そこで、心拍変動のスペクトル解析による指標の有用性を検討するため、安静時、段階的ベッドアップでの心電図、血圧を連続的に測定し、現在、解析中である。
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