2002 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ環境指標によるスポーツ都市づくりへの支援に関する研究
Project/Area Number |
12680028
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 泰雄 神戸大学, 発達科学部, 教授 (90094531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長ヶ原 誠 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (00227349)
|
Keywords | スポーツ環境 / スポーツ都市 / スポーツ環境指標 / 地域スポーツクラブ / 支援プログラム / スポーツ社会学 / 総合型地域スポーツクラブ / スポーツ参加 |
Research Abstract |
平成14年度は、兵庫県が県内の全小学校区において総合型地域スポーツクラブを設立するという、「スポーツクラブ21ひょうご」事業を支援すべく、ヒアリング調査を中心にしたフィールドワークを行った。平成12年度に始まったスポーツクラブ創設事業は、平成14年度末までに、472クラブが設立されている。1クラブあたりの平均会員数は、462名で、県内で約21万人が地域スポーツクラブにおいてスポーツライフを楽しんでいる。「スポーツクラブ21ひょうご」は、多種目・多世代・多様なレベル・自主運営を特徴であるが、1クラブあたりの種目数の平均は8種目で、1位から順に、卓球、グラウンドゴルフ、バレーボール、バドミントン、ソフトボール、サッカー、野球と続いている。 指導者については、1クラブ平均21名で、有資格者指導者の地域スボーツクラブへの参加が少ないのが現状である。指導者数の合計は約1万人であり、5800名は資格を有していない。資格取得者をみると、競技団体や体育指導委員、日本スポーツクラブ協会やスポーツ少年団の指導者資格をもっている。都市部に比べて、郡部・農村部において指導者不足が深刻である。有資格指導者は、既にスポーツ少年団などの既存組織で活動しており、新たな地域スポーツクラブの核となるスポーツリーダー養成事業が求められている。 クラブハウスの設置場所は、28%が小学校敷地内におかれ、公民館等が24%、小学校余裕教室が15%と続いている。設置形態は、新築28%、既存施設改修が28%、既存施設設備拡充が43%である。クラブハウスの中身は、会議室の機能が中心で、ヨーロッパ型のクラブハウスと比較すると、クラブ員がリラックスしてくつろぐことのできる機能が不足している。また、クラブのスポーツ文化として機能も弱い。しかし、少数ではあるが、交流機能を重視したクラブハウス(神戸市・多聞台スポーツクラブ)も創られており、今後はこういったモデルになるクラブハウスを紹介し、クラブの拠点になるように啓発する必要性があるだろう。 平成12年度からの研究成果を、台北で開催された「アジア体育・スポーツ科学学会大会」、釜山で開催された「釜山アジア大会科学会議」、埼玉で開催された「日本体育学会大会」などにおいて、研究発表を行った。また、研究成果をまとめた研究報告書を作成し、調査研究に協力して頂いた関連団体および自治体スポーツ担当部局、研究機関などに配布した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 山口泰雄, 長ヶ原誠, 伊藤克広, 石澤伸弘: "地方自治体による地域スポーツクラブの育成・支援に関する研究-「スポーツクラブ21ひょうご」のケーススタディ-"日本体育学会体育社会学専門分科会論文集. 53号. 99-104 (2002)
-
[Publications] 伊藤克広, 山口泰雄, 土肥隆, 高見彰, 長ヶ原誠: "タイプ別に見た総合型地域スポーツクラブのマネジメントに関する比較研究"神戸大学発達科学部研究紀要. 10巻1号. 53-65 (2002)
-
[Publications] 伊藤克広, 山口泰雄, 土肥隆, 高見彰, 長ヶ原誠: "地域スポーツクラブの組織とマネジメントに関する研究-単一種目型スポーツクラブと総合型地域スポーツクラブの比較"体育・スポーツ科学. 11巻. 17-24 (2002)
-
[Publications] Yasuo Yamaguchi: "Sport Tourism, Sport Volunteer and Sport for All"Journal of Asiania Sport for All. 3巻1号. 29-36 (2002)