Research Abstract |
3歳から6歳までの日本人幼児期における身体組成を縦断的に研究することを目的としている.本年度はその4年目であるため4年間の縦断的な結果を基に,同プロジェクトにおいて6歳から8歳までの小児期における縦断的研究結果と比較検討した. 被験者:福岡身体組成研究に参加している小児で,1998年10月の測定(3歳)から2000年10月の測定(5歳)まで,継続して参加した健康な男女小児72名(男児34名,女児38名)と,2000年10月の第1回測定(6歳)から2002年10月の第3回測定(8歳)まで継続して測定に参加した健康な男女小児52名(男児19名,女子33名). 測定項目:身長,体重,胸囲,腰囲,腹囲,臀囲,上腕囲,前腕囲,大腿囲,下腿囲,14部位皮下脂肪厚,BIA法による身体組成(脂肪量,除脂肪量) 3-5歳までの小児前期群と6-8歳までの小児中期群の2群に分類された. 結果 1.男女とも3歳から5歳までBMIは急激な変化を示さないが,その後8歳まで経年的に急増する. 2.小児前期のFFMIは,男女とも4歳で最低値を示し,小児中期のFFMIは,男児で0.05kg/m^2,女児では0、35kg/m^2増加し,女児における小児中期の変化量は,小児前期と比較して有意に高い変化量を示した. 3.FMIの肇化量は,男女の小児前期では3歳から4歳まで増大し,小児中期では男女とも7歳から8歳にかけて結いに増大した(男児;0.5kg/m^2 vs 0.9kg/m^2,女児;0.2kg/m^2 vs 0.5kg/m^2)が,2群間の差は女児では有意(P<0.05)であり,男児の変化量に有意差は認められなかった. 以上の結果から本研究の結論は,女児の小児前期におけるBMIの減少は,主にFFMIの減少によるものであり,FMIの減少によるものではないと考えられ,小児中期のBMIの増加は,FFMIとFMIの両方が影響しているように推察される.また,男児の小児前期におけるBMIの無変化は,FMIの増加とFFMIの減少が相殺された結果であり,男児の小児中期のBMIの急激な増加は,F:FMIよりFMIの影響を強く受けているように思われる.
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