2000 Fiscal Year Annual Research Report
河道形態・礫径分析による扇状地の開析過程のモデル化
Project/Area Number |
12680088
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
斉藤 享治 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60170495)
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Keywords | 扇状地 / 開析過程 / 河道形態 / 礫径分析 / 蛇行河川 |
Research Abstract |
ポーランドと日本の扇状地の比較研究で予察的に明らかになった,仮説「開析開始時の扇状地河川は,扇状地上を蛇行する」を,検証するために,本年度,次のことを行った。ポーランドの隣国,チェコとスロバキアには,下刻が認められない蛇行する扇状地河川が見られる可能性があるので,チェコとスロバキアの地形図を購入し,扇状地の分布を部分的に明らかにした。地形図に欠落部分があったため,来年度,国会図書館および岐阜県図書館・世界分布図センターの地形図を使用して,完成させる予定である。チェコのモラバ地方とエルツ山脈南麓の扇状地については,約2週間の現地調査を実施した。下刻が認められない蛇行河川は,見つからなかったが,下刻時にその可能性を秘めた細粒物質からなる扇状地を見つけた。来年度には,スロバキアおよびハンガリーの扇状地を調査する予定である。国内では,研究協力者2名と,松本盆地,伊那谷,甲府盆地を調査し,扇状地の開析過程についての現地討論を行った。概念的には理解されるものの,現在の日本には実態がないので(晩氷期から後氷期にはあったとものと想像される),納得するに至っていたない。やはり,外国での事例を増やすほかないものと判断した。そのため,扇状地をキーワードとする論文を電子ジャーナルで約300本収集した。そのなかに,熱帯を中心に,扇状地上部が細粒物質からなりしかも扇状地上に蛇行河川が認められるとの報告があった。その扇状地の位置付けを含め,開析過程のモデル化を進めている。
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