2002 Fiscal Year Annual Research Report
衣類の溶剤洗浄代替を目的とする水系超音波洗浄システムの開発
Project/Area Number |
12680104
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
多賀谷 久子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70024932)
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Keywords | 超音波洗浄 / 汚染布 / 脱気水 / 音圧 |
Research Abstract |
衣類の溶剤洗浄を水系に転換することを目的として、布用の水系超音波洗浄装置を試作し、超音波の特性と洗浄性能について、国際標準汚染布と人工皮脂汚れ汚染布を調整したものを用いて研究し、概ね当初の計画通りに、以下の研究を進め、布の超音波洗浄のメカニズムに関する多くの新しい知見が得られ、学会発表と論文の投稿に漕ぎ付けることができた。 1.洗浄槽内の定在波と洗浄効率の関係を見出し、最適な超音波洗浄条件を確立した。 2.音圧と洗浄効率の間に直線関係が成立し、汚れと繊維によって汚れ除去が始まる最低の力がそれぞれ異なることが明らかになった。 3.洗剤を用いた場合、汚れ除去が始まる最低の力は約1/3に減少することがわかった。 4.条件を選べば、数μm以上の粒子汚れは、ほとんど除去されることが明らかになった。 5.衣類の洗濯で除去が困難な皮脂汚れ成分も比較的低い音圧で除去されることがわかった。 以上の結果から、水中の超音波エネルギーを有効に生かし、低いエネルギーで、フレキシブルな繊維に負荷を与えることなく、しかも塩素系有機溶剤や洗剤なしで同等以上の高い洗浄効果を期待できることがわかった
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Research Products
(1 results)