2002 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ視細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
12680685
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 えみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20173891)
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Keywords | ショウジョウバエ / ジアシルグリセロールキナーゼ / 視覚突然変異 / 網膜変性 / シグナル伝達 / 免疫電子顕微鏡法 / 光情報変換 |
Research Abstract |
本研究は、ショウジョウバエの光情報変換過程で中心的な役割を果たすeye-diacylglycerol kinase(eye-DGK, RDGA蛋白質)の機能発現の機構を明らかにすることを最終目的としている。本研究期間以前に我々は、eye-DGKは光受容細胞の光受容部である桿感分体に接した細胞質領域(subrhabdomeric region)に局在していることを見いだし、この領域に存在する滑面小胞体(subrhabdormic cistern)の膜上で機能していると考えた。本研究では、eye-DGKの分子内のどの領域が細胞内局在や機能発現に必要なのかを明らかにする目的で、eye-DGK蛋白質の部分欠損分子を作成しgermline transformationによる個体発現実験を行った。昨年度までに,eye-DGKのC-末端領域に存在するアンキリンリピートを欠損する蛋白質をrdgA null突然変異体で発現したところ、表現形質(網膜変性)が救済され,細胞内局在や酵素活性がほぼ正常に復帰することがわかった。このことから、この領域はRDGA分子内で酵素活性を抑制的に制御しており、これを欠損した分子を酵素活性のない突然変異体に発現した場合、発現分子は酵素活性を有し、表現形質を救済すると考えた。そこでこの仮説を証明するため、アンキリンリピート領域を野生型の光受容細胞で発現し、酵素活性が抑制されるかどうか調べる実験を進行中である。 また、eye-DGKのN-末端領域にあるシステインリッチ領域を欠損した蛋白質を発現すると、突然変異体の網膜変性を救済せず、酵素活性も発現しないことがわかった。この蛋白質の細胞内局在を調べるために、光情報変換系においてRDGAの上流で機能するNORPAの欠損突然変異体との二重突然変異体を作成して、網膜変性をおさえて、発現蛋白質の細胞内局在を免疫電子顕微鏡法により調べた。その結果、発現蛋白質の細胞内局在も異常であることがわかった。
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Research Products
(1 results)