2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラメラ幅の異なる親水/疎水型相分離構造表面に対応する細胞膜官能基分布の解析
Project/Area Number |
12680844
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Research Institution | TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 一彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90212539)
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Keywords | リンパ球 / 形質膜内球状蛋白質 / スルフヒドリル基 / 形質膜流動抑制 / 透過型電子顕微鏡解析 / 画像処理解析 / ラメラ幅 / PHEMA-PSt-PHEMA ABA型ブロック共重合体 |
Research Abstract |
生体適合性材料の分子設計の作業理論を構築するために、自己/非自己の選択性に優れているリンパ球を用いて、PHEMA-PSt-PHEMA ABA型ブロック共重合体(HSB)表面の生体適合性発現にとって最適なラメラ幅について評価することを目的とした。ラメラ幅が8nm、16nm、43nmのHSB表面を調整し実験に供した。対照群として、PSt及びPHEMA-PStランダム共重合体表面を用いた。本年度は、ラメラ幅の異なるHSB表面に対するリンパ球粘着面の形質膜内球状蛋白質のC末端付近にあるスルフヒドリル基(-SH基)を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。さらに、TEMネガフィルムを元にして、その-SH基の分布幅について、画像処理解析装置を用いて定量的に評価した。リンパ球と高分子材料表面との相互作用はマイクロスフィアカラム法を用いて行った。ラメラ幅16nmのHSB表面に対するリンパ球粘着面の形質膜内球状蛋白質の-SH基は粒子状として観察された。その分布幅は未刺激リンパ球のその-SH基の分布幅と同様であり有意差は認められなかった。一方、ラメラ幅が8nm、43nmのHSB表面に対するリンパ球粘着面の形質膜内球状蛋白質の-SH基は部分的にCapping状を形成して観察された。これらの分布幅と未刺激リンパ球のその-SH基の分布幅との間に有意差が認められた。興味深いことに、ラメラ幅が8nmと43nmのHSB表面における-SH基の分布幅は、NH^<2>基の分布幅の場合とは異なり、有意差は認められなかった。また、PSt及びPHEMA-PStランダム共重合体表面に対する粘着リンパ球は壊死を呈しており、形質膜内球状蛋白質の-SH基のTEM解析はできなかった。以上のことから、ラメラ幅が16nmのHSB表面はリンパ球の形質膜流動性を抑制することが細胞膜内側部分の解析からも示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 阿部一彦: "Mercuric Chloride法によるリンパ球形質膜のスルフヒドリル基分布解析"医学検査(学会特集号). 51(4)(in print). (2002)
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[Publications] 阿部一彦: "ラメラ状の相分離構造表面に対するリンパ球粘着面の形質膜スルフヒドリル基の分布解析"医学検査(学会特集号). 51(4)(in print). (2002)
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[Publications] 阿部一彦: "ナノスケールのラメラ幅の異なる親水/疎水性ABA型ブロック共重合体表面に対するリンパ球粘着面の形質膜内球状蛋白質のスルフヒドリル基分布解析"医学生物学電子顕微鏡技術学会. (in print). (2002)
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[Publications] 阿部一彦: "ラメラ幅の異なるABA型ブロック共重合体表面に対するリンパ粘着面の形質膜内球状蛋白質のスルフヒドリル基の分布解析"東京女子医科大学総合研究所紀要. 22(in print). (2002)