2000 Fiscal Year Annual Research Report
ピロロキノリンキノン依存性メタノール脱水素酵素の活性発現に必要な遺伝子群解析
Project/Area Number |
12760058
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
外山 博英 山口大学, 農学部, 助手 (60240884)
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Keywords | メタノール脱水素酵素 / ピロロキノリンキノン / PQQ / メチロトロフ |
Research Abstract |
ピロロキノリンキノン(PQQ)依存性メタノール脱水素酵素(MDH)のサブユニット構造遺伝子を含む遺伝子クラスターはMethylobacterium extorquens AM1よりクローニングされ、DNA塩基配列の解析から、少なくとも14の構造遺伝子(mxaFJGIRSACKLDEHB)を含んでいることがわかっている。このうち、MDHの2つのサブユニット(F,I)と、その直接の電子受容体であるチトクロムc_L(G)以外は機能がはっきりしていない。一次配列からそれぞれ、J,A,Dはペリプラズムに、Lは細胞質膜に、R,S,C,Kは細胞質内に存在していると予想された。まず、J,S,C,Dの欠損変異株を作成した。J変異株はメタノールに生育せず、MDHサブユニットもイムノブロットでも確認できなかった。S,C変異株もメタノールに生育しなかったが、活性のないMDHが生成されており、カルシウムイオンと混合すると活性が現れた。S,C変異株の形質はA,K,L欠損株と共通し、それら遺伝子は酵素にカルシウムを挿入するのに必要なことが示唆された。それに対して、D変異株はメタノールに生育することができたが、生育速度は野生型に比べ3分の1程度であった。他の炭素源ではそれほど大きな違いはなかった。にもかかわらず、メタノールに生育したD変異株は野生型の約2倍のMDH活性を持っていた。生菌体のメタノール酸化活性は野生型に比べ約5分の1であった。チトクロムc量や末端オキシダーゼ活性は野生型酵素とほぼ同じであったので、MDHとc_Lとの電子伝達速度が遅くなっているものと考えられた。これらの結果はGordon Research Conference(平成12年7月)、日本農芸化学会大会(平成13年3月)にて発表した。
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