2000 Fiscal Year Annual Research Report
定量的^1H-MRSおよび^<31>P-MRSによる小兒中枢神経白質変性症の研究
Project/Area Number |
12770378
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高梨 潤一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (00302555)
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Keywords | 定量的^1H-MRS / ^<31>P-MRS / 小児 / 白質変性症 |
Research Abstract |
proton(1H)-magnetic resonance spectroscopy(MRS)では、神経細胞活動を反映するN-acetylaspartate(NAA)、髄鞘動態を反映するcholine(Cho),creatine(Cr)等、31P-MRSではリン脂質前駆体のphosphomonoester(PME)、同代謝産物のphosphodiester(PDE)等の代謝情報を得られる。本研究の目的は、MRSが小児中枢神経白質変性症、特に髄鞘形成不全および脱髄性疾患において、その病態をどこまで反映しうるかを検討することである。具体的には、MRI上鑑別の困難な中枢神経白質変性症、特に従来のcreatine(Cr)による半定量的1H-MRS上特異なパターンを呈するPelizaeus-Merzbacher病(PMD)に対し、Short echotime法を用いたNAA,Cr,Cho,myo-Inositol(mI)等の定量的解析、及び髄鞘動態の評価のための31P-MRSを行い、詳細な病態解析、診断能の向上をはかる。平成12年度は、千葉大学医学部付属病院ないし放射線医学総合研究所の1.5テスラMRI装置を使用し、1H-MRS(PROVE-SV,PRESS法,repetition time(TR);5,000msec, echo time(TE); 30 msec,1,000 spectral width,1,024 points,64 number of scans, volume of interest;15x15x2mm)を施行し、NAA,Cho,Cr,mlのピーク面積を測定した。定量化には、raw dataをパーソナルコンピューターに転送の後、base line補正を画像解析システム(LC Model,Provencher)にて行い、NAA/Cr,Cho/Crに加え、各代謝物質濃度を計測した。既知の濃度のNAA,Cr,Choのファントムにてデータ解析を行った後、同意のとれた正常成人に1H-MRSを施行した。その結果は、NAA,7.8±0.4;Cr,3.9±0.3;Cho 0.99±0.10;and ml,2.9±0.4mmol/lであり、従来の内部標準水法に比し安定した結果を得た。現在、proteolipid protein geneの検索の結果遺伝子重複を有するPMD患児に対して定量的1H-MRSを施行し解析中である。
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