2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法にともなう筋組織修復時の細胞外マトリックスの発現の変化と筋支配神経の誘導
Project/Area Number |
12832016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
灰田 信英 金沢大学, 医学部, 教授 (00135089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 俊明 金沢大学, 医学部, 助手 (00220319)
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Keywords | 運動療法 / 筋組織修復 / 細胞外マトリックスの発現 |
Research Abstract |
ビメンチン、デスミン、muscle-actinおよびミオグロビンは、細胞の接着や移動に重要な役割を果たしていることから、筋損傷局所において筋組織の再構成が起こるためには筋芽細胞の損傷部位への移動、増殖にこれらが関与していることが推測される。そこで、ウィスター系ラットの腓腹筋に0.5%塩酸ブピバカイン0.5mlを注射し損傷を起こさせ、損傷筋が脱分化し再分化へと進行する際にこれらは一様に発現するのか、あるいは分化の時期によって異なった発現を示すのか、さらにトレッドミルによる走行運動によってこれらの発現時期と強さはどのように修飾されるのかを検討した。 損傷24時間後には変性壊死を起こした細胞が多数見られた。各抗原陽性細胞は認められなかった。3日後には筋芽細胞の核が連なって筋管細胞を形成しており、それを含む再生筋線維の基底膜直下に、各抗原とも強陽性であった。1週後の再生筋線維はビメンチン、デスミン、muscle-actinはよく染まったが、ミオグロビンの染色性は低下していた。2週後には各抗原の染色性は、1週目に比べ大きく低下した。4週後には再生筋線維はまばらに散在し、各抗原の染色性は認められなくなった。 損傷24時間後より毎日速度30m、30分のトレッドミル走行により運動負荷を加えると、3日目までは各抗原の染色性は変わらなかった。しかし、その後染色性は強くなり、1週後にはビメンチン、デスミン、muscle-actinの染色性は低下し、ミオグロビンは染まらなかった。 この結果より、運動負荷を加えてもビメンチンやデスミンの合成開始は早まらないことが確認された。しかし、合成量は運動によって亢進するものと推測された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Haida, et al.: "Adaptation of slow soleus and fast gastrocnemius muscle to isometric exercise in rat"金沢大学医学部保健学科紀要. 24・1. 39-44 (2000)
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[Publications] N.Haida,T.Yamazaki: "Effect of hindlimb re-weighting, low-and high-intersity exercise on disuse atrophy of rat soleus muscle"金沢大学医学部保健学科紀要. 24・2. 31-37 (2001)