2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12837005
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
安香 宏 昭和女子大学, 文学部, 教授 (70125897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 奈緒子 鎌倉女子大学, 家政学部, 講師 (50277935)
清水 裕 昭和女子大学, 文学部, 助教授 (70246007)
新田 健一 昭和女子大学, 文学部, 教授 (40189329)
門本 泉 東京少年鑑別所, 心理技官
鈴木 護 科学警察研究所, 防犯少年部, 研究官
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Keywords | 非行少年 / 自我構造・機能 / 表情認知 / 攻撃性 / 共感性 / 他者意識 / 逸脱経験 |
Research Abstract |
1.表情認知の研究 対人認知側面からの自我構造をとらえることに着目し、非行少年(少年鑑別所収容少年)と一般少年(高校生)との、各種表情認知の差を実験的に検討した。具体的には、昨年の予備実験にもとづいて作成した表情刺激を、非行少年89名と一般少年71名に呈示し、表情認知を測定した。総じて、単純粗暴群は、明確と思われる表情さえ正確に認知できず、単純に自己の非行に関連する「怖がる」、「嫌がる」を連想し、金目的粗暴群は、概して表情認知は正確であるが、自己の非行に関係する「怖がる」、「馬鹿にする」の選択を回避するといえる。また、窃盗群では「びっくり」を正確に認知し、その連想も多いなど、非行形態に対応した独特の表情認知、感情の連想が存在することが示唆された。この結果は、平成13年度の日本犯罪心理学会大会において発表した。 2.自我機能の社会的側面の研究 非行少年(少年鑑別所収容少年)305名と一般少年(高校生)2200名を対象として、行動経験とパーソナリティを測定する質問紙調査を実施した。質問紙調査で測定した内容は以下のとおりである。 (1)行動経験(1)向社会的行動経験、(2)逸脱行動経験、(3)迷惑行動(脱社会的行動)経験 (2)パーソナリティ(1)情動的共感性、(2)認知的共感性(パースペクティブ・テイキング)、(3)攻撃性 研究の枠組みと非行少年男子に関する研究成果は、平成13年度の日本犯罪心理学会において発表した。逸脱行動のみならず、向社会的行動や脱社会的行動についても経験している者の割合がかなり高かった。攻撃性や認知的共感性は比較的多くの行動経験と想定される方向で有意な関連がみられたが、逸脱行動と情動的共感性には有意な関連がみられなかった。 一般少年と非行少年の比較検討結果は、平成14年度日本犯罪心理学会大会にて発表予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木護, 田中奈緒子, 清水裕, 田中純夫, 宮崎悠華, 大川力: "非行少年の自我構造に関する研究I-社会行動特性について-"犯罪心理学研究. 第39巻特別号. 2-3 (2001)
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[Publications] 藤田宗和, 門本泉, 田中かおり, 馬場誉史亜, 安香宏: "非行少年の自我構造に関する研究II-表情認知について-"犯罪心理学研究. 第39巻特別号. 4-5 (2001)