2002 Fiscal Year Annual Research Report
高分子複合結晶の巨視的配列制御による機能の複合化と相分離リサイクル
Project/Area Number |
13031012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西 敏夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70134484)
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Keywords | 結晶性 / 結晶性ポリマーブレンド / 相互侵入球晶 / 等温結晶化 / Poly(ethylene succinate) / Poly(butylene succinate) / Poly(ethylene oxide) |
Research Abstract |
相溶系の結晶性/結晶性ポリマーブレンドにおいて相互侵入球晶を形成する新たな系を探索し、発見した。これらにおいて融解した相溶状態にある融液を急冷して等温結晶化させると、両成分の球晶が同時に成長する場合があることを発見し、そのときに相互侵入球晶が形成された。更に走査型プローブ顕微鏡を用いたナノ・ミクロレベルでの構造解析も行った。 1.poly(ethylene succinate)/poly(ethylene oxide) (PES/PEO)系は両成分の融点以上の温度で相溶するポリマーブレンドであることを発見した。両成分の融点の差は36℃である。PES/PEO=2/8のブレンドをメルト状態から50℃で等温結晶化したところ、両成分の球晶が同時に成長し、PEOの球晶がPESの球晶に侵入する相互侵入球晶を形成することが偏光顕微鏡による構造解析により明らかになった。 2.poly(butylene succinate)/poly(ethylene oxide) (PBSU/PEO)系も両成分の融点以上の温度で相溶するポリマーブレンドであることを発見した。両成分の融点の差47℃である。この系では両者の融点の差が比較的大きいため、両成分の同時結晶化は確認できなかった。融点以上の温度で相溶している融液を50℃で等温結晶化させると、まず融点の高いPBSUの球晶が生成し、試料全体を覆う。引き続きその温度で試料を保持するとPBSUの球晶マトリックス中でPEOの球晶が核生成し、その後球晶の形状を保ったまま成長していくことを発見した。 3.上記の系について、走査型プローブ顕微鏡を用いてラメラレベルの構造を解析し、一方の結晶ラメラが他方のラメラに沿って成長している証拠を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Unique Morphology of Poly(ethylene succinate)/Poly(ethylene oxide) Blends"Macromolecules. 35・22. 8251-8254 (2002)
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[Publications] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Miscibility and Crystallization in Crystalline/Ciyrstalline Blends of Poly(butylene succinate)/Poly(ethylene oxide)"Polymer. (印刷中). (2003)
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[Publications] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Miscibility and Crystallization of Poly(ethylene oxide) and Poly(ε-caprolactone) Blends"Polymer. (印刷中). (2003)
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[Publications] Z.Qiu, T.Ikehara, T.Nishi: "Melting Behaviour of Poly(butylene succinate) in Miscible Blends with Poly(ethylene oxide)"Polymer. (印刷中). (2003)
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[Publications] Y.Sakai, T.Ikehara, T.Nishi, et al.: "Nanorheology measurement on a single polymer chain"Appl. Phys. Lett.. 81. 724-726 (2002)