2002 Fiscal Year Annual Research Report
膜系の高次構造の動的制御とミクロ相分離を用いた機能のナノ・パターニングの理論
Project/Area Number |
13031062
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 隆夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50127990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 真規子 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20333320)
奥薗 透 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10314725)
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Keywords | ソフトマテリアル / 自己組織 / 高分子共重合体 / 数値シミュレーション / ミクロ相分離 / 弾性効果 / ホップ分岐 / 振幅方程式 |
Research Abstract |
ソフトマテリアルのこれからの重要な課題の一つは、特徴的なメゾ構造が熱平衡から遠く離れた非平衡状態におかれたときにいかなる自己組織的ダイナミクスが発現するかという問題であろう。この問題意識のもとに化学反応を伴う3成分混合系のモデル方程式を導入し、相分離で形成されるドメインの相互作用とダイナミクスを調べた。このモデルは有限波数でホップ分岐を起こすのが特徴である。2次元数値シミュレーションによると、分岐点を超えたところで伝搬する縞模様や3角格子構造スポットが現れた。伝搬する縞構造と定在波としての縞構造の安定性を振幅方程式で解析した。また、外から時間的変調を与えたときの伝搬構造の安定性と引き込みについてもシミュレーションと理論解析で研究した。 高分子共重合体のミクロ相分離構造形成については多くの実験と理論的研究が行われてきた。しかし、剛直な高分子と柔軟な高分子が共有結合によって結ばれたブロック共重合体に対するミクロ相分離のモルフォロジーとダイナミクスについてはそれほど理論的に解明されていない。われわれはロッド・コイル共重合体の相分離モデルを導入し、2次元で数値シミュレーションを行い、相分離ドメイン形成におけるロッド部分の弾性効果を詳細に調べた。 さらに、柔軟なブロックから成る2元共重合体の3次元形態転移のダイナミクスを調べるため、2モード近似を適用して、ダブルジャイロイド構造に対する振幅方程式を導出し、ラメラ構造やヘキサゴナル構造への転移の数値シミュレーションを行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Ohta: "Microphase separation in rod-coil copolymers"J. Phys. Soc. Jpn. (発表予定).
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[Publications] T.Okuzono: "Time-modulated oscillatory structures in phase-separating reactive mixtures"Phys. Rev. E66. 066216-066225 (2002)
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[Publications] M.Nonomura: "Theory and Simulations of Mesoscopic Morphological Transitions"Physica A. 304. 77-84 (2002)