2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤道域の大気波動の四次元構造とエネルギー輸送の研究
Project/Area Number |
13136203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
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Keywords | 赤道大気 / 中層大気 / 大気波動 / 大気レーダー / ラジオゾンデ / 三次元大気モデリング / インドネシア域 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度は、10-12月に、メルビル島内及び豪州大陸内の計3観測地点にて、ラジオゾンデを用いて地上から高度35kmまでの水平風速、気温並びに地上から高度10kmまでの相対湿度を測定した。ヘクターが発生する時期としない時期の比較を可能にするため、各月に5日間ずつ、それぞれの地点でラジオゾンデを3時間間隔で放球する集中観測を実施した。観測遂行には多くの人員を要したが、アデレイド大、モナシュ大および豪気象局職員等から研究協力の補助を受けた。得られた観測データは、現在初期解析中である。まず、GPSゾンデとトラッキングゾンデの間にオフセット誤差がないことを確認した。次に、平均風および温度プロファイルが良好に得られていることを確認した。さらに対流圏界面の上下において観測される波動構造の解析を行い、周期31時間程度の慣性重力波や84時間程度の長周期波動をもっとも顕著な波動として取り出した。これらの波動を含め、種々の波動のパラメータ抽出、3地点での空間構造など詳細解析を現在すすめているとともに、レーダー・大気光イメージャなど他の観測装置の結果との比較も始めている。 さらに、平成14年度にコトタバンに設置する予定の流星レーダーについて、13年11月に地形などの現地調査を行い、赤道大気レーダーの西方約150mに候補地を絞った。さらに、14年3月には外来雑音の電界強度測定を行ってレーダー電波の周波数を37.5MHz付近と選定したほか、アンテナ建設予定地の整地を行い、設置準備を順調に進めた。 また、観測結果を取り込んだ3次元メソスケールモデルを用いた数値シミュレーショシの準備として、過去のキャンペーンデータを用いたシミュレーションを行い、シミュレーションが高度100km程度の中間圏界面領域までうまく行われていることを確認した。 以上のように、本課題は極めて順調に進展している。
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