2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムポンプの1分子可視化による作動機構と高次構造の解析
Project/Area Number |
13142201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50183421)
林 雄太郎 杏林大学, 医学部, 教授 (10086556)
今川 敏明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20142177)
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Keywords | ナトリウムポンプ / 蛍光プローブ / 1分子観察 |
Research Abstract |
平成16年度の研究実績 1.ナトリウムポンプ及びプロトンポンプの分子集合度と機能発現の解析 ポンプ標品の分子集合状態と酵素活性の相関を明らかにするため、FITCにて蛍光標識したポンプ分子を種々の濃度のKCl存在下、C12E8により可溶化後、分子観察を行った。さらに同一条件で可溶化したポンプ分子の酵素活性を測定した。 その結果、 共存させたKClの濃度に依存してポンプ分子の集合体状態が変化する事を見出した。低濃度のKCl存在下では可溶化画分の酵素単位は単量体と2量体が主要成分であるのに対し、高濃度のKCl存在下では4量体が主要成分となった。酵素活性は共存させたKClの濃度に依存して増加した。各濃度の単量体から4量体の相対分布と酵素活性の相関を検討したところ、4量体の増加と酵素活性の増加に良い相関がみられ、単量体及び2量体とは負の相関が見られた。この結果はプロトンポンプにおいて、活性を発現する最小機能単位は4量体であることを強く示唆している。 2.ナトリウムポンプ分子の機能的な多重度解析を直接検討するために、動物細胞に緑色蛍光タンパク質(EGFP)を付加したポンプ分子を発現した。可溶化したポンプ分子の多重度解析からは主に単量体と2量体の存在を確認した。現在、細胞を直接観察し、細胞膜中での多重度解析を検討中である。 3.多量体ナトリウムポンプの機能的相互作用部位の検索 ポンプ分子は酵素反応の中間体蓄積条件下でゼロ距離クロスリンカーにて2量体を形成する。細胞質領域の種々のシステイン変異体を作成し、クロスリンク反応に対し、非感受性となる変異体ポンプを検索中である。
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